設計基準強度fck'のkの意味は?

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設計基準強度fck'のkは何を意味しているのか教えて下さい。

fはforceのf,cはcompressiveのc,'は圧縮強度を示す(引張と区別するため) であると思いますが,kは何のkなのでしょうか?

ちなみに配合強度fcr'のrはrequiredのrだと思います。

k以外の解釈に間違いがあれば,あわせて教えて下さい。

コメント

ユーザー 中筋 智之 の写真

 concreteの強度は正規分布すると見做して、圧縮強度の場合、配合強度に相当する平均強度(fm(ean))は、式(1)で示される。
 fk=fm-kσ・・(1)
 ここに、fk:特性値
     k:係数fkを下回る確率が5%の場合、k=1.64
     σ:標準偏差
 添字のkは作用および材料物性の特性値を示す。圧縮強度の特性値(fck')が設計基準強度(現場での呼び強度に相当)であり、式(2)で示される。
 fcr'=α・fck'・・(2)
 ここに、α:割増し係数

参考文献
(公社)土木学会:コンクリート標準示方書 設計編、2012年

ユーザー Shin-no-suke Tokuda の写真

ご回答をありがとうございます。
しかし,ご回答の内容は既に理解しております。

質問の趣旨は,定義そのものでなく,アルファベットの記号はどのようにして決まったか?であります。

たとえば,重力加速度はg,光速はc,他の速度はvと書くのが常識で,これは
重力加速度のgは英語で重力を意味するgravityのg
光速はラテン語で速度を意味する celeritas のc
他の速度は英語で速度を意味するvelocityのv
に由来するものです。

fck'もこのような記号にすることを決めたとき,f,c,kを何かの略号からとってきた筈ですが,それが何かを知りたいというのが質問の趣旨です。

設計基準強度は昔はσkと書かれていましたが,昭和61年制定版からfck'に改められています。
これは応力と強度を区別するためで,応力をσ(stressのsに対応するギリシャ文字σ),強度をfに改めています。
ちなみにfはforceのfを採ったようですが,forceとstrengthは全く異なるので,なぜfなのかは不明です。

それではfck'のkは何のkなのかというのが,本質問です。
特性値の概念が出る前にσkが現れているので,kは特性値という言葉とは無関係であることは確かめられています。

質問者は基準(英語criteria)のドイツ語kreiteriumのkかなどと推測しています。まさか基準のローマ字kijunのkではないでしょうね。

どなたか教えて欲しいというのが,この質問です。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

>特性値の概念が出る前にσkが現れているので,kは特性値という言葉とは無関係

これは必要条件で、十分条件ではないと思います。

特性値の多くにkが付けられていることからも、候補としては外すべきでないと思います。

ユーザー Shin-no-suke Tokuda の写真

貴重なコメントありがとうございます。
コンクリート示方書で特性値の用語が出てきたのはσkの後ですが,
① 特性値は統計学の用語として古くからある。
② 特性値にkを用いる例がよくある。
から,排除してしまうのは誤りかもしれませんね。
特性値の正確な定義はまだ確認していませんが,
特性値:個々のデータのもっている情報を縮約して1つの統計値で示したもの
特性値:分布の特徴を数値の形で表すもの
などの説明があります。
今の示方書で使っている概念よりも幅広い一般的な概念ですので,コンクリートの強度の代表値という意味でσkを使ったのかもしれませんね(←これはfck'の定義とは厳密に一致していない)。
特性値は英語ではcharacteristic valueですのでkは出てきませんが,言語によってcをkと書く場合があるので,kの根拠も分かるかもしれませんね。

ユーザー Shin-no-suke Tokuda の写真

質問投稿から大分時間が経ちましたが,色々と探ってみた結果,特性値のkという可能性がいちばん高そうです。
ただし,示方書で定義した特性値というよりも,統計学でいう特性値のようです。

示方書では,
設計基準強度fck'は圧縮強度に対する特性値で,圧縮強度の平均値である配合強度fcr'と圧縮強度の標準偏差であるσを用いて,fkck'=fcr'-1.645σと定義されますが,

統計学では,
平均値mに対し,1σ,2σ,3σの変動範囲を,m+1σ,m-1σ,m+2σ,m-2σ,m+3σ,m-3σなどと表し,代表値(特性値)と呼んでいます。
これをm+kσと記しています。kは整数を表す記号としてよく使われている記号です。(i,j,k,m,nなどが多用,このうち i はintegerの i 。)

この整数という意味が次第に薄れ,fkck'=fcr'-1.645σなどのk=1.645に対してもkとして使われ,fkck'=fcr'-kσのkとなっているようです。

ちなみに,fck'は限界状態設計法(1986年~)で使われ始め,限界状態設計法以前の許容応力度法時代(1967年)ではσkと表されていました(σは強度のσで標準偏差のσではない!)。
このとき,k=1.645という認識はなかったと思います。しかし,統計学の知識はあったと思いますので,代表値としてのkを用いたのだと思われます。

ちなみに1967年の示方書では
(a) 試験値は設計基準強度の80%を1/20以上の確率で下がってはならない。
(b) 試験値は設計基準強度を1/4以上の確率で下がってはならない。
となっていました。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

そう言われると何となく使っていて案外由来を分かっていないものですね.
思いつくようなものは例えばkinematicのkとか
もしくはよく添え字としてk=1,2とかで幾つか系がある時に使いますが、どうなんでしょうね.

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匿名投稿者様

kinematicは「運動学的な」ですから,違うと思います。

ユーザー Shin-no-suke Tokuda の写真

匿名投稿者さんへ
知恵袋の記事は存じています。
正規分布のk については質問者も類推できません。
しかし,正規分布とはあまり関係ないのでは・・と思っています。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

元々の概念としてfck(簡単に言ってしまえば計算上この強度で設計しましょうとされる強度)を狙ってそのまま作ってしまうと
実際には強度にばらつきがあるためその強度を満たさないコンクリートがかなりの確率でできてしまう.
なので割増係数αをかけてもう少し大きい強度を目標に作らなければならない、でそれがfcrというような話であると思います.
それでそのばらつき具合が正規分布上になるという話なので、正規分布から来ているのでは?というのはそこまで間違っていないかもしれません.

統計用語にそうしたランダムな値をまとめた数列というのでkollectiv(コレクティーフ)というのがあるそうです.そのkでしょうか?
設計基準強度でcriterionを使いたかったけどそうするとfccでcが重なってしまうのでどこか別なところから持ってきたのかなという気もします.

ユーザー Shin-no-suke Tokuda の写真

匿名投稿者 様

コメントありがとうございます。

kollectivは,kollektiv(独語;集団,団体)のことだと思います。

fck'が統計学的な意味を持ってきたのは,私の知る範囲では,限界状態設計法や部分係数法の採用からであり,fcr'が平均値,fck'が特性値(平均値ーα×標準偏差;αは非超過確率から決定)と位置づけられてきてからです。
それまでは,fck'に統計学的な概念はなく,確定値として扱われていたはずです。
したがって,kollektivはfsk'のkには当たらないように思われます。

criterionは私も候補としてあげています(最初の質問参照)。fccを避けるため,独語のkriteriumのkを採用と推測してみましたが(ちなみに仏語ではcritere,kは独語を想像させます),ちょっと考えすぎのような気がします(命名者にそこまでの配慮があったか?)。

なお,設計基準強度σkとして昭和42年版の示方書に現れ(昭和31年版はσ28),このときのkが今日まで生きています。当時の関係者はもう他界されているでしょうね。

ちなみに,コンクリート示方書の英語版では

配合強度は required strength of concrete fcr と述べていますが(fcrであってfcr'でないことに注意!)
設計基準強度は specified strength determined based on characteristic values とだけ述べていて,略号fckは示していません。
これからkが英語起源ではないことだけは分かります。
なお,chracteristic values は特性値です。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

kollektiv自体は一応は専門用語みたいです。いずれにせよ正規分布のkというのはどこかで誤解されて伝わっただけで間違いということになるのかな。
如何せんkというのは様々な場所で使われますので、パッと意味が分からない感じがありますね。σ28の28というのは材齢28日から来ていると思いますので、それがkに置き換わっただけという単純な話でしょうか。kは係数一般に広く使われますが日数や時間の問題ならd(day)やtを使わないのかな?とは思います。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

限界状態設計法については1964年に提唱され、1970年にユーロコードが採用されたと調べたら出てきました。
これと日本の教科書の記述の変更はある程度年代が合致しているような気がします。
やはりそうしたばらつきを考慮したことでfkと変更されたのではないでしょうか?
何となくですけどそれにkという添え字を置くことは自然に思われます。サンプルがk=1,2,3…と沢山あるイメージです。その中の特性値でfkとなるという感じです。

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昭和42年の改定時に設計基準強度σckと配合強度σrの概念が示方書に初めて現れます。
したがって,ckとrは何らかの関連を持っていると思われます。

rはrequired strengthのrということは多分間違いないー
示方書の英語版(2007年版)で required strength fr という表現が見られます。(英語では fr であって fr' ではない。英語論文を書く時には注意!)
fckは英語版示方書では出てきません。 単に,specified strength という表現になっています。

なぜfckが英語版に出てこないのかも興味あるところです。誰もckの出所が分からないのかも・・・。

なお,サンプルのkというのは上の推論から,90%間違いです。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

ちなみに英語でも語源に関してではないですがfckを使っている人たちはいます.
https://www.quora.com/What-is-meant-by-the-%E2%80%9Ccharacteristic-stren...
気になっていくつか調べてみましたが、概ねCharacteristic strengthにfckを使っているようです.例えば:https://www.icevirtuallibrary.com/doi/abs/10.1680/dms.31555.099
コンクリートでは基本的には圧縮強度を基準に語られますからこれはfc(compressive)になるんでしょうけどそうなった場合に
じゃあcharacteristicにkという添え字を宛てるのか?という部分に関しては私はネイティブではないのであまり分かりません.
それが普通の感覚であればcが重なって来てしまうのでそこにkという字を宛てたのではないかと思います.

ユーザー Shin-no-suke Tokuda の写真

貴重なコメントありがとうございました。
ユーロコードではkが使われていますね。
荷重の特性値Fkなどと書かれており,compressiveのcと重複を避けるためにcの代わりにkという訳ではないようです。

ユーザー Shin-no-suke Tokuda の写真

σ28(昭和31年時点)では設計基準強度の概念はありませんでした。
昭和42年の改訂時に設計基準強度と配合強度の概念が登場しました。
このとき,それぞれをσckとσrで表しました。
したがって,kは28に代わるものではありません。また,日数や時間にも無関係です。
σckとσrは同時に表れていますので,ckとrの出所は関係しているはずだと思われます。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

特性値の英語characteristic valueのcharacteristicの語源である,古代ギリシャ語のkharakteristikosの頭文字であると思います。
特性値の略号として英語のcharacteristicの頭文字cを使うと,comporessiveの頭文字cと重複するので,特性値の略号としてはcの使用を避けたのではないでしょうか

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「k」は「korefficient(係数)」という意味です。
具体的には材料特性や負荷条件などを考慮して、安全性や耐久性を評価するために用いられます。
ラテン語の「koreffcientem」が語源でフランス語を経由して英語に取り入れられました。