「コンクリート標準示方書 維持管理編」において、P.235の「解説 表 10.4.1 塩害と中性化の複合劣化による外観上のグレードと標準的な工法例」の中で、グレードⅠでの標準的な工法が表面処理になっているのに対して、グレードⅡでは表面被覆となっています。 表面処理には、表面含浸と表面被覆がありますが、グレードⅡで表面被覆に限定される理由は何でしょうか。 コメントを追加 コメント #10389 Re:(参考)塩害と中性化の複合劣化に対する工法 表面被覆工法はconcrete部材(構造物)の表面を樹脂系やpolymer cement系材料で被覆する事に拠り劣化因子(H_2 O,CO_2,O_2,CL^-等)を遮断して劣化進行を抑制し部材 (構造物)の耐久性能を向上させる工法である. 含浸系材料に拠る表面改質工法は直接,ひび割れを補修する工法でなく,concreteの緻密化を主目的とする.浸透性吸水防止材をconcrete表面に塗布含浸させ,concrete表層 部に吸水防止層を形成し,外部からのH_2 Oの浸入やCl^-の浸透を抑制する.ひび割れ幅が0.2mm程度以下ではひび割れ深部でのconcreteの緻密化に拠る閉塞が期待できる為, 表面に於いて,ひび割れが閉塞されなくても防水効果を期待できる.しかし,0.2mmよりも大きなひび割れ幅やひび割れ幅が変動する場合に効果を期待する事が難しい. 文献 1)(社)日本コンクリート工学協会:コンクリートのひび割れ調査,補修・補強指針,pp.133,134,2009. 2)(公社)日本コンクリート工学会:コンクリート診断技術[基礎編],pp.254,255,2014. 返信 #10400 Re:(参考)塩害と中性化の複合劣化に対する工法 表面被覆工と表面含浸工の解説をいただきありがとうございます。 塩害と中性化の複合劣化において、グレートⅠは「鉄筋の腐食が開始するまでの期間」、グレードⅡは「腐食ひび割れが発生するまでの期間」と定義(コンクリート標準示方書 維持管理編P.225)されています。グレードⅠはもちろん、グレードⅡにおいても、ひび割れは発生していない状態です。その上で、グレードⅡにおいて対策工が表面被覆に限定される理由が不明です。 返信 #10401 Re:(参考)塩害と中性化の複合劣化に対する工法 鉄筋concreteは新設時でも,両端固定して打設すると乾燥収縮ひび割れが,曲げが軸圧縮力よりも卓越する条件では引張側鉄筋位置で鉄筋と直交して曲げひび割れ が生じ引張側concrete応力度を無視して設計します. concreteに就いて,土木・建築を包括したJCIに拠るコンクリート診断技術^2)に拠り,塩害,中性化に対する補修・補強工法の選定に就いて適用すべき主工法を 表1,2に記す. gradeⅠ(潜伏期)は,cementの水和反応に使われない細孔でのH_2 Oが在り,空気中のCO_2等に因り中性化しなければ一般にpH≧12の高いalkali性を示し鋼材表面での Cℓ~-濃度が腐食に必要な濃度に達する期間で鋼材表面に不動態被膜が形成されている. gradeⅡ(進展期)は,塩害では鋼材表面の不動態被膜がCℓ~-に因り腐食が始まり膨張して被りconcreteが引張破壊する腐蝕ひび割れが鉄筋に沿って生じ加速期に入る. 表1 塩害に対する補修・補強工法の選定 劣化因子の遮断 劣化速度の抑制 選定理由 潜伏期 表面被覆(Cℓ~-,O_2等侵入防止) 電気防食(予防保全) 鉄筋近傍でCℓ~-が増え,劣化因子を遮断 進展期 (主工法は無く表面被覆を適用検討) 電気防食(鉄筋腐食の大幅な低減) 鉄筋腐食が継続的に生じ腐食ひび割れに至り,劣化因子遮断だけでなく劣化速度を抑制 表2 中性化に対する補修・補強工法の選定 劣化因子の遮断 劣化速度の抑制 選定理由 潜伏期 表面被覆(CO_2等侵入防止) 含浸材塗布(予防保全;不動態皮膜保護) 鉄筋近傍で腐蝕発生迄alkali性が低下し,此れ以上の劣化因子遮断,劣化速度抑制 進展期 表面被覆(CO_2,H_2 O,O_2等侵入防止) 含浸材塗布(限界alkali濃度低下部に含浸) 鉄筋腐食が始まり最終的に腐食ひび割れに至り,劣化因子遮断,劣化速度抑制 従って,塩害と中性化の複合劣化補修工法として,gradeⅡ(進展期)では含浸材塗布では足りず,表面被覆に限定され,塩害程度が大きければ電気防食の検討も要すと判断します. 尚,各含浸材塗布工法材料の目的を以下に記す. alkali性付与材;中性化に対しalkali性を回復する. 塗布型防錆剤;塩害に対し鉄筋腐食環境を改善する. 浸透性吸水材;外部からのH_2 Oの浸入やCℓ~-の浸透を抑制する. 浸透性固化剤;表面の脆弱化に対し強化する. 塩害と中性化との複合劣化に対応する代表的含浸材が記されていない. 文献 2)pp.41-46,240-242,255 返信
#10389 Re:(参考)塩害と中性化の複合劣化に対する工法 表面被覆工法はconcrete部材(構造物)の表面を樹脂系やpolymer cement系材料で被覆する事に拠り劣化因子(H_2 O,CO_2,O_2,CL^-等)を遮断して劣化進行を抑制し部材 (構造物)の耐久性能を向上させる工法である. 含浸系材料に拠る表面改質工法は直接,ひび割れを補修する工法でなく,concreteの緻密化を主目的とする.浸透性吸水防止材をconcrete表面に塗布含浸させ,concrete表層 部に吸水防止層を形成し,外部からのH_2 Oの浸入やCl^-の浸透を抑制する.ひび割れ幅が0.2mm程度以下ではひび割れ深部でのconcreteの緻密化に拠る閉塞が期待できる為, 表面に於いて,ひび割れが閉塞されなくても防水効果を期待できる.しかし,0.2mmよりも大きなひび割れ幅やひび割れ幅が変動する場合に効果を期待する事が難しい. 文献 1)(社)日本コンクリート工学協会:コンクリートのひび割れ調査,補修・補強指針,pp.133,134,2009. 2)(公社)日本コンクリート工学会:コンクリート診断技術[基礎編],pp.254,255,2014. 返信
#10400 Re:(参考)塩害と中性化の複合劣化に対する工法 表面被覆工と表面含浸工の解説をいただきありがとうございます。 塩害と中性化の複合劣化において、グレートⅠは「鉄筋の腐食が開始するまでの期間」、グレードⅡは「腐食ひび割れが発生するまでの期間」と定義(コンクリート標準示方書 維持管理編P.225)されています。グレードⅠはもちろん、グレードⅡにおいても、ひび割れは発生していない状態です。その上で、グレードⅡにおいて対策工が表面被覆に限定される理由が不明です。 返信
#10401 Re:(参考)塩害と中性化の複合劣化に対する工法 鉄筋concreteは新設時でも,両端固定して打設すると乾燥収縮ひび割れが,曲げが軸圧縮力よりも卓越する条件では引張側鉄筋位置で鉄筋と直交して曲げひび割れ が生じ引張側concrete応力度を無視して設計します. concreteに就いて,土木・建築を包括したJCIに拠るコンクリート診断技術^2)に拠り,塩害,中性化に対する補修・補強工法の選定に就いて適用すべき主工法を 表1,2に記す. gradeⅠ(潜伏期)は,cementの水和反応に使われない細孔でのH_2 Oが在り,空気中のCO_2等に因り中性化しなければ一般にpH≧12の高いalkali性を示し鋼材表面での Cℓ~-濃度が腐食に必要な濃度に達する期間で鋼材表面に不動態被膜が形成されている. gradeⅡ(進展期)は,塩害では鋼材表面の不動態被膜がCℓ~-に因り腐食が始まり膨張して被りconcreteが引張破壊する腐蝕ひび割れが鉄筋に沿って生じ加速期に入る. 表1 塩害に対する補修・補強工法の選定 劣化因子の遮断 劣化速度の抑制 選定理由 潜伏期 表面被覆(Cℓ~-,O_2等侵入防止) 電気防食(予防保全) 鉄筋近傍でCℓ~-が増え,劣化因子を遮断 進展期 (主工法は無く表面被覆を適用検討) 電気防食(鉄筋腐食の大幅な低減) 鉄筋腐食が継続的に生じ腐食ひび割れに至り,劣化因子遮断だけでなく劣化速度を抑制 表2 中性化に対する補修・補強工法の選定 劣化因子の遮断 劣化速度の抑制 選定理由 潜伏期 表面被覆(CO_2等侵入防止) 含浸材塗布(予防保全;不動態皮膜保護) 鉄筋近傍で腐蝕発生迄alkali性が低下し,此れ以上の劣化因子遮断,劣化速度抑制 進展期 表面被覆(CO_2,H_2 O,O_2等侵入防止) 含浸材塗布(限界alkali濃度低下部に含浸) 鉄筋腐食が始まり最終的に腐食ひび割れに至り,劣化因子遮断,劣化速度抑制 従って,塩害と中性化の複合劣化補修工法として,gradeⅡ(進展期)では含浸材塗布では足りず,表面被覆に限定され,塩害程度が大きければ電気防食の検討も要すと判断します. 尚,各含浸材塗布工法材料の目的を以下に記す. alkali性付与材;中性化に対しalkali性を回復する. 塗布型防錆剤;塩害に対し鉄筋腐食環境を改善する. 浸透性吸水材;外部からのH_2 Oの浸入やCℓ~-の浸透を抑制する. 浸透性固化剤;表面の脆弱化に対し強化する. 塩害と中性化との複合劣化に対応する代表的含浸材が記されていない. 文献 2)pp.41-46,240-242,255 返信
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#10389 Re:(参考)塩害と中性化の複合劣化に対する工法
表面被覆工法はconcrete部材(構造物)の表面を樹脂系やpolymer cement系材料で被覆する事に拠り劣化因子(H_2 O,CO_2,O_2,CL^-等)を遮断して劣化進行を抑制し部材
(構造物)の耐久性能を向上させる工法である.
含浸系材料に拠る表面改質工法は直接,ひび割れを補修する工法でなく,concreteの緻密化を主目的とする.浸透性吸水防止材をconcrete表面に塗布含浸させ,concrete表層
部に吸水防止層を形成し,外部からのH_2 Oの浸入やCl^-の浸透を抑制する.ひび割れ幅が0.2mm程度以下ではひび割れ深部でのconcreteの緻密化に拠る閉塞が期待できる為,
表面に於いて,ひび割れが閉塞されなくても防水効果を期待できる.しかし,0.2mmよりも大きなひび割れ幅やひび割れ幅が変動する場合に効果を期待する事が難しい.
文献
1)(社)日本コンクリート工学協会:コンクリートのひび割れ調査,補修・補強指針,pp.133,134,2009.
2)(公社)日本コンクリート工学会:コンクリート診断技術[基礎編],pp.254,255,2014.
#10400 Re:(参考)塩害と中性化の複合劣化に対する工法
表面被覆工と表面含浸工の解説をいただきありがとうございます。
塩害と中性化の複合劣化において、グレートⅠは「鉄筋の腐食が開始するまでの期間」、グレードⅡは「腐食ひび割れが発生するまでの期間」と定義(コンクリート標準示方書 維持管理編P.225)されています。グレードⅠはもちろん、グレードⅡにおいても、ひび割れは発生していない状態です。その上で、グレードⅡにおいて対策工が表面被覆に限定される理由が不明です。
#10401 Re:(参考)塩害と中性化の複合劣化に対する工法
鉄筋concreteは新設時でも,両端固定して打設すると乾燥収縮ひび割れが,曲げが軸圧縮力よりも卓越する条件では引張側鉄筋位置で鉄筋と直交して曲げひび割れ
が生じ引張側concrete応力度を無視して設計します.
concreteに就いて,土木・建築を包括したJCIに拠るコンクリート診断技術^2)に拠り,塩害,中性化に対する補修・補強工法の選定に就いて適用すべき主工法を
表1,2に記す.
gradeⅠ(潜伏期)は,cementの水和反応に使われない細孔でのH_2 Oが在り,空気中のCO_2等に因り中性化しなければ一般にpH≧12の高いalkali性を示し鋼材表面での
Cℓ~-濃度が腐食に必要な濃度に達する期間で鋼材表面に不動態被膜が形成されている.
gradeⅡ(進展期)は,塩害では鋼材表面の不動態被膜がCℓ~-に因り腐食が始まり膨張して被りconcreteが引張破壊する腐蝕ひび割れが鉄筋に沿って生じ加速期に入る.
表1 塩害に対する補修・補強工法の選定
劣化因子の遮断 劣化速度の抑制 選定理由
潜伏期 表面被覆(Cℓ~-,O_2等侵入防止) 電気防食(予防保全) 鉄筋近傍でCℓ~-が増え,劣化因子を遮断
進展期 (主工法は無く表面被覆を適用検討) 電気防食(鉄筋腐食の大幅な低減) 鉄筋腐食が継続的に生じ腐食ひび割れに至り,劣化因子遮断だけでなく劣化速度を抑制
表2 中性化に対する補修・補強工法の選定
劣化因子の遮断 劣化速度の抑制 選定理由
潜伏期 表面被覆(CO_2等侵入防止) 含浸材塗布(予防保全;不動態皮膜保護) 鉄筋近傍で腐蝕発生迄alkali性が低下し,此れ以上の劣化因子遮断,劣化速度抑制
進展期 表面被覆(CO_2,H_2 O,O_2等侵入防止) 含浸材塗布(限界alkali濃度低下部に含浸) 鉄筋腐食が始まり最終的に腐食ひび割れに至り,劣化因子遮断,劣化速度抑制
従って,塩害と中性化の複合劣化補修工法として,gradeⅡ(進展期)では含浸材塗布では足りず,表面被覆に限定され,塩害程度が大きければ電気防食の検討も要すと判断します.
尚,各含浸材塗布工法材料の目的を以下に記す.
alkali性付与材;中性化に対しalkali性を回復する.
塗布型防錆剤;塩害に対し鉄筋腐食環境を改善する.
浸透性吸水材;外部からのH_2 Oの浸入やCℓ~-の浸透を抑制する.
浸透性固化剤;表面の脆弱化に対し強化する.
塩害と中性化との複合劣化に対応する代表的含浸材が記されていない.
文献
2)pp.41-46,240-242,255