現況道路を改良する際の土工区分(掘削と床堀)

セクション: 
ユーザー 匿名希望 の写真

この度、当方の管轄している町道(アスファルト舗装道路)が交通量増加などの理由により、
ひび割れ等がひどくなったため、改良工事を行うことになりました。
舗装をはぎ取り、路盤・路床を掘り起こして新規舗装断面を形成します。

この際、現況舗装以下の路盤や路床を掘り起こす場合は、積算上「掘削」と「床堀」のどちらで計上することが正しいのでしょうか。

国や県の数量算出要領などの資料では、

掘削…施工基面(機械位置)より上部を掘るもの
床堀…施工基面(機械位置)より下部を掘るもの

となっており、掘削より床堀の方が単価が高くなっております。
単価の差は、日当たり施工量の差によるもので、床堀の方が掘削より作業に手間がかかるためだろうかと考えております。

上記の定義からすると、今回は現況道路面が施工基面になり、そこから下を掘り下げるため、
「床堀」になるかと考えていたのですが、周囲の人間から「掘削」ではないか、と言われました。
理由は算出要領に載っている道路土工関係の模式図に、施工基面(計画路床面)という描写があるためです。

ただ、この模式図は山を掘削機械の位置まで片切りやオープンカットするようなケースのため、
今回当方が担当しているような、現況道路の舗装面に機械を置いて(現況舗装面=施工基面)、
そこから下を掘り下げるようなケースとは異なるのではないかと考えております。
この疑問について、近隣市町村や県に問い合わせても、明確な回答をいただけませんでした。

「掘削」と「床堀」のどちらで計上することが正しいのかをご教授いただきたいことにあわせて、
今回の当方の工事状況に合致するようなケースの模式図をご覧になった方などおられたら、それについてもご教授願いたいです。

よろしくお願いします。

コメント

ユーザー 匿名投稿者 の写真

私は周囲の人間と同意見です。
作業土工単独ではなく工事全体を考えてください。
施工基面について、また、掘削と床堀の違いについて、もう一度調べてなおしてください。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

「掘削」に1票です。
施工延長がどのくらいか分かりませんが、舗装面から掘るのは最初だけで、
そのあとは路床面から掘り進めれば「掘削」だと思います。
舗装面からずーっとバックで掘っていく計画ですか?
そうじゃなきゃできないという資料を作れば「床掘」でもいけるかもしれませんが。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

埋め戻しは伴わないと考えられますので掘削になると思います。
掘削した部分は新たな舗装断面として、路床や路盤として施工されるため埋め戻しには当たりません。

床掘と埋め戻しはセットで考えております

ユーザー ryu219 の写真

同意見です。
私の資料によると床掘とは、構造物の築造または撤去を目的に現地盤線若しくは施工基面より掘り下げるものであり、埋め戻しを伴う作業とあります。

ユーザー OPDS の写真

「現況道路面が施工基面」と言う貴職の前提条件設定が誤謬を招いているのだと思われます。
本件の場合、斜面上に道路を新設する場合と同様にあくまで施工基面は計画路床面になるのだと思われます。
もともと掘削と床掘の施工単価の差異は、例えばバックホーのショベル幅の差異からくるもので、本件工事に伴い雨水管渠や雨水枡、場合によっては交通信号用の横断管を路床上面より深く設置する必要が生じた場合、路床上面(施工基面)まで面状に掘り下げる行為は掘削扱い、基面より下側を更に線状に掘り下げる行為は床掘扱いになる筈です。
ちなみに交通量の増加に伴い、上下路盤厚や表層・基層の舗装厚が現状より数十cm分厚くなると思われ、その場合施工基面は現状の路床上面では無く、設計上の路床上面になる筈ですので、施工数量的にどのような棲み分けとなっているのか路盤再生工対象の有無含めて、平面図と断面図に基づき、床掘数量と埋め戻し数量の差異、掘削数量と路盤数量・舗装数量に説明付かないギャップが無いかも併せて確認される事をお勧めします。

ユーザー こう の写真

私も本件の場合は「床掘」という意見に賛成です。
補足で積算のお話しを付け加えるとすると、歩掛の適用条件(施工方法の条件面)を確認されたほうが良いと思われます。掘削はオープンカットなどでも分かるように大規模かつ支障の少ない条件下での話です。小規模(100m3以下)でなければ、5,000m3以下が一番小さい条件で施工機種はバックホウ0.8m3級になりますが、これが現地施工とあっているかを検討されたほうが良いかと思います。全面通行止めで支障なく運び出せ、標準歩掛の標準施工量と大差ないのであれば掘削でもよいかと思いますが、片側交互通行などで施工幅に制約がつき、機種に制約が生じるのであれば床掘ではないかと思います。
(※本件では床掘なので当てはまらないと思いますが、標準歩掛で対応できないのであれば見積(施工歩掛)ですね。)
その辺り資料を整理すればどちらの場合でも説明できると思いますので大丈夫だと思います。
金額の上下がからむ話なので、官側としては責任取りたくないのでどうしても安い方を選びがちですが、金額が高くても論理的(物理的に可能かどうか)に説明できさえすれば大丈夫な話なので頑張ってください!

ユーザー uh^goand の写真

初めまして、uhgoandと申します。

「掘削と床掘」

掘削と床掘は概念(定義)が異なる。概念に違いのあるものを同列にするのは無意味。
掘削とは文字通り土砂、岩石等を切り取るもので、施工基面からの上下に関係なく全てをいう。床掘とは、その掘削作業のうちの一形態である。
掘削はその工事目的物(工法)によってそれぞれ種別(単価項目、支払い)が決まる。
高速道路工事(JH)で言えば、
・切り盛り土工は…「道路掘削」
・切り取り捨土は…「捨土掘削」
・他所から切土して持ってくれば…「客土掘削」
・構造物(橋台、橋脚、擁壁、カルバートボックス、排水工等)の構築に伴う掘削は…「構造物掘削」と、工種毎に項目設定(積算)する。

※1 施工基面に関係なく、掘削工種でそれぞれ施工機械、機種、歩掛り等が決まる。
※2 排水溝、U字溝、マスなどの排水構造物は工種毎に単価積算(メートル、個所あるいは一式等)する。
これに伴う掘削はそれぞれの工種に含まれ、その掘削作業を床掘とも称するが、「床掘」という工種・項目はない。
本件で例えれば、掘削して捨土するなら「捨土掘削」、掘削土を本線に流用(盛土)なら「道路掘削」となる。

『土木工事共通仕様書(NEXCO)』〈以下抜粋〉

2-6 道路掘削、客土掘削、捨土掘削
 2-6-1 定  義
 (1)道路掘削とは、設計図書及び監督員の指示に従って本線の切土部の土砂(表
   土含む)及び岩を掘削して本線に盛土する作業をいい、各工事毎の作業内容は
   特記仕様書に示すものとする。
 (2)客土掘削とは、設計図書及び監督員の指示に従って指定された土取場におけ
   る客土材料(表土含む)を掘削して、本線に盛土する作業をいい各工事毎の作
   業内容は特記仕様書に示すものとする。
 (3)捨土掘削とは、設計図書及び監督員の指示に従って本線の切土部の土砂(表
   土含む)及び岩を掘削して本線外盛土場及び他工匠の本線(以下「自工区外盛
   土場」という。)に搬入する作業をいい各工事毎の作業内容は特記仕様書に示
   すものとする。
2-6-6 数量の検測
  道路掘削、客土掘削及び捨土掘削の数量の検測は、地山の設計数量(m3)で行
 うものとする。ただし、地山検測が不可能な場合は、特記仕様書又は監督員の指
 示によるものとする。
2-6-7 支  払
 道路掘削、客土掘削及び捨土掘削の支払は、前項の規定に従って検測された数
量に対して、それぞれ1・当たりの契約単価で行うものとする。
 道路掘削の契約単価には、設計図書及び監督員の指示に従って行う、特記仕様
書に示す作業内容の道路掘削の施工に要する材料・労力・機械器具等本工事を完
成するために必要な費用で諸経費に含まれるものを除くすべての費用を含むもの
とする。
 客土掘削の契約単価には、設計図書及び監督員の指示に従って行う、特記仕様
書に示す作業内容の客土掘削の施工に要する材料・労力・機械器具等本工事を完
成するために必要な費用で諸経費に含まれるものを除くすべての費用を含むもの
とする。
 捨土掘削の契約単価には、設計図書及び監督員の指示に従って行う、特記仕様
書に示す作業内容の捨土掘削の施工に要する材料・労力・機械器具等本工事を完
成するために必要な費用で諸経費に含まれるものを除くすべての費用を含むもの
とする。
 なお、道路掘削、客土掘削、捨土掘削のうち、本章2-6-4に示す土砂又は
軟岩に含まれる転石の小割に要する費用は、監督員と乙とて協議し定めるのとす
る。
   項目番号 単価表の項目          検測の単位
    2-(2)道路掘削
        土  砂             m3
        土砂(表土)           m3
        軟  岩             m3
        願  岩             m3

2-8 構造物掘削及び構造物裏込め工
 2-8-1 定  義
 (1)構造物掘削とは、設計図書及び監督員の指示に従って橋梁、高架、擁壁、カ
   ルバート、水路、その他の構造物の基礎地盤の土砂及び岩を掘削し、処理する
   作業をいい各工事毎の作業内容は特記仕様書に示すものとする。
    構造物掘削は、構造物掘削普達郎と構造物掘削特殊郎に区分する。構造物掘
   削特殊郎とは、図面及び特記仕様書に矢板、止水、締切り等による掘削方法を
   指示する構造物掘削をいう。構造物掘削普通郎とは設計図書に特に掘削方法を
   指示しない柵浩物掘削をいう。

      第5章 用・排水構造物工

               目     次

 5-1 適用範囲 ………………………………………………………… 5-1
 5-2 適用すべき諸基準 ……………………………………………… 5-1
 5-3 施工前の排水系統調査 ………………………………………… 5-1
 5-4 用・排水構造物工 ……………………………………………… 5-1

5-1 適用範囲
  この章は、用・排水溝、用・排水管(径1m未満のものに適用し、1m以上は
 第6章による。)、巣水ます、マンホール、用排水溝及び用・排水管ののみ口、
 吐口、用排水溝と用・排水溝との取付け、角落し、地下排水工等の材料及び施工
 に関する一般的事項を取扱う。工事は、すべて設計図書及び監督員の指示に従っ
 て餓密に施工しなければならない。

5-4-2 施  工
 (1)掘  削
   掘削に際しては、掘削断面を昌要鏝小限にとどめ、安定した路床又はのり
  面を乱さないようにしなければならない。
 (2)設  置
  1)用・排水構造物工の基礎材の施工は、本仕様書2-9の規定を適用する
   ものとする。
  2)用・排水溝及び用・排水管の設置は、設計図書又は監督員が指示するこ
   う配で下流側又は低い側から設置するとともに、底部は滑らかで一様なこう
   配になるよう施工しなければならない。
    また、用・排水管の設置については、本仕様書第6章の該当各項の規定を
   適用するものとする。

(完)

ユーザー 匿名希望 の写真

投稿者です。

ご回答くださった皆様、考え方や定義などについて丁寧に教えていただき恐縮しました。
自分の周囲でこのような相談ができる人間がいなかったため投稿した次第ですが、
自身でもう少し勉強してから投稿すればよかったかと感じています。

多数のご回答をいただき、ありがとうございます!