上層路盤は必ず設けるのですか?

セクション: 
|
ユーザー 匿名投稿者 の写真

舗装構成の決定に際して、路盤は一般的に上層路盤と下層路盤に分けますが、表層5㎝と下層路盤(RC-40)のみでTaが満足する場合には、上層路盤は不要なのでしょうか?
また、このことが記載されている文献はありますか?

コメント

ユーザー 匿名投稿者 の写真

『アスファルト舗装要綱』

1.総説
1-1 要綱適用上の注意
 この要綱はアスファルト舗装の設計、施工の標準を示すものである。従って要綱の適用に際しては、字句にとらわれることなくその意図するところを適確に把握することが大切である。記述にこだわり過ぎて入手の容易な現地材料を活用することや、経済的な工法を考えだすことをおこたったりして不合理な設計、施工とならないように十分注意しなければならない。

1-2 アスファルト舗装
 アスファルト舗装とは、骨材を歴青材料で結合してつくった表層を持つ舗装をいい、一般に表層、基層および路盤からなる。
 この要綱では簡易舗装、表面処理を除き、主として加熱混合式工法による表層を持ったアスファルト舗装を取り扱う。
〔注〕路盤上に直接厚さ3~4cmの表層を設けたものを簡易舗装といい、厚さ2.5以下の表層を施したものを表面処理という。

2.構造の設計
2-1 概説
 アスファルト舗装は、交通荷重に耐える十分な厚さを持ち、表層から路盤までの各層が力学的に釣合いのとれたかたちで構成されなければならない。
 アスファルト舗装の構造は、一日一方向当りの大型車交通量と路床土の設計CBRなどを荼にして設計する。一般に、表面排水および地下排水などの設計を合わせて行う。

2-2 舗装の構造
2-2-1 概説
 アスファルト舗装は図一2・1に示すように路床上に路盤、基層および表層の順に構成され、車道に接続して路肩を設ける。なお、路床の土が路盤に侵入するのを防止するためにしゃ断層を路床の一部として設けることがある。また、すべりや摩耗を防ぐために表層の上にさらに摩耗層を設けることがある。

2-2-Z 路床
 路床は舗装の下厚さ約lmの土の部分をいい、盛土部においては盛土仕上り面より、切土部においては掘削した面より下約lmの部分がこれにあたる。
 ただし、軟弱な路床を改良するため路床の全部室たは一部を良質な材料で置き換えたり、石灰やセメyトで安定処理した部分、切士郎、盛士部のすりつけ区間などのうめもどし部分、および路床の土が路盤に侵入するのを防止する目的で設けるしゃ断層などは路床に含まれる。路床の上面を路床面という。
 路床は舗装の厚さを決定する基礎となるもので、路床土の強度特性はCBR試験によって判定する。

〔注〕切土部の場合、路床面よりわずかの深さまで軟弱な土質で、それより深い位置   に良好な土がある場合には、軟弱な部分は捨土して路床面を下げる方が得策な   場合がある。

2-2-3 路盤
 路盤は交通荷重を分散させて安全に路床に伝えるのに重要な役割をはたす部分である。従って十分な支持力を持ち、しかも耐久性に富む材料を必要な厚さによく締固めたものでなければならない。
 路盤は経済的にしかも力学的に釣合いのとれたかたちにするために、通常下層路盤と上層路盤とに分けられる。下層路盤には比較的支持力の小さい安価な材料を、上層路盤には支持力の大きい良質な材料を用いる。

〔注〕交通開放後の路面の沈下の大部分は、路盤の圧縮と側方流動によぅておこると   いわれている。従って適正な路盤材料を用いるとともに、特に入念に締固める   必要がある。十分な締固めが確保できないおそれのある場合には、路盤面に表   面処理を行い、一時交通に開放し締囚めの完全を期するような方法を採用する   ことも、構造設計にあたって検討しておく必要がある。

(1) 下層路盤
 下層路盤には、一般に施工現場の近くで経済的に入手できる修正CBRが20以上の材料を利用する。下層路盤材料の0.4mmふるい通過分Q敵性指数(Pi)は6以下でなければならない。また最大粒径は50mm以下とすることが望ましい。
 これらの規定をみたす現地材料を入手できない場合は、セメソト、石灰などで安定処理をして下層路盤として用いることができる。この場合でも表-2・1に示す値を満足していることが望ましい。
  ≪表-2・1は省略≫
〔注1〕修正CBRが30以下の材料を使用する場合には特に入念に締固めなければな    らない。砂などの締固めを十分に行うためには、この上に下層路盤の一部と    して切込み砂利や切込み砕石などを置いて同時に締固めるのも一方法である。    この切込み砂利や切込み砕石は、下層路盤の一部として設計に際して考慮し    ておく必要がある。
〔注2〕粒径の大きい下層路盤材料では施工管理がむずかしいので、最大粒径は50㎜    以下とすることが望ましいが、やむを得ないときには、一層仕上げ厚の1/以    下で100mmまで許容してよい。
〔注3〕下層路盤材料の修正CBRを求める場合に用いる諦固め度は、付録4-1に示    す試験方法による最大乾燥密度の95%とする。

(2)上層路盤
 上層路盤には粒度調整、歴青安定処理、セyソト安定処理、石灰安定処理、浸透式などの工法が用いられる。浸透式工法を除き、材料の最大粒径は40mm以下で、かつ一層の仕上り厚の1/2以下でなければならない。
 上層路盤各工法に用いる材料は表-2・2の値を標準とする。
  ≪表-2・2は省略≫
〔注1〕各工法に用いる材料の配合設計については、3.材料の規定を参照すること。
〔注2〕セメント安定処理工法は、盛土の不等沈下や路床の変形が予想される場合な    どには上層路盤に採用することをさけた方がよい。

以上、「『アスファルト舗装要綱』昭和53年6月(社)日本道路協会」より抜粋。

1 概説
1-1 簡易舗装の定義
 ここでいう簡易舗装とは、アスファルト舗装要綱によらない簡易な構造の舗装であって、通常、表層および路盤から構成され、表層の厚さが一般に3~4cm程度の舗装をいう。
〔注〕簡易舗装といわれるものには、砂利道の路面を整正して歴青材料を散布浸透さ   せた防塵処理や、表面処理などを含ませた場合もあるが、この要綱でいう簡易   舗装は路床土の強さに応じて設計し、表層厚が3~4cm程度のものであり、表層   厚が2.5cm以下のいわゆる防塵処理や表面処理とは区別している。
    したがって簡易舗装は、交通条件などが予想外にきびしくなることのないぎ   り、たえず維持修繕を行うことによって相当の耐用年数が期待できるものであ   る。

1-2 簡易舗装の対象となる道路の条件
 簡易舗装を施工する道路は次の条件を満足することが必要である。
(1)施工後、つねに良好な維持を行うのに十分な組織および機材を整えること。
(2)自動車交通量が少なく、かつ重車両が少ない道路であること。
(3)路面は両側の最高水位よりおおむね30cm以上高く、排水条件が良好であること。  特に人家運担区間にあっては、側溝が整備されること。

2 構造設計
2-1 概説
 簡易舗装の構造は、路床土のCBRなどに基づいて設計する。積雪寒冷地では凍結深さを考慮する。設計にあたってはできるだけ現地材料の有効な利用をはかる。

2-2 舗装の構造
2-2-1 概説
 簡易舗装は図一2・1に示すように表層および路盤から構戌される。在来砂利層は一般に下層路盤に含まれる。路盤の幅は原則として表層の幅より両側に15cm以上ずつ広くとる。路面の横断こう配は2~5%を標準とする。路肩は舗装の下部への雨水の浸透を防止するため、通常その表面を処理する。
  ≪図一2・1は省略≫

2-2-2 路床
 路床は在来砂利層の下方、厚さ約1mの土の部分をいう。路床土の軟弱な個所を置き換えた場合、あるいは在来砂別居を掘り起こして施工するような場合に設けるしゃ断層などはその一部またはすべてが路床に含まれる。
 
〔注1〕しヤ断層には下方の路床土が侵入してくることが予想されるので、下層路盤    材料の規定を満足するような材料を用いた場合でも、しゃ断層は一般に路床    の一部として考える。置き換えた場合の材料の厚さが大きく路床土の侵入が    その一部に限られるときは、その上部は下層路盤として扱う。
〔注2〕舗装厚を決定する基礎となる設計CBRは、しゃ断層や局部的に置き換えた    材料を除いたもとの路床土について得られた値を用いなければならない。

2-2-3 路盤
 路盤は通常、上層路盤と下層路盤とに分ける。上層路盤には良質で耐久性に富む材料、下層路盤にはあまり良質ではないが比較的安価な材料を用いる。在来砂利層は一般に下層路盤の一部としてそのまま利用してよい。もし上層路盤材料の規定をみたすような場合があれば上層路盤として利用することもできる。
(1)下層路盤
 下層路盤材料の修正CBRは10以上とし、しかも、0.07㎜ふるtヽ通過重量は10%以下、あるいは0.4㎜ふるい通過分のPlが9以下でなければならない。

〔注1〕このような材料には粒径分布のよい川砂、山砂または切込み砂利などがある。    規定をみたす範囲でできるだけ安価な現地材料を利用することが望ましい。
〔注2〕規定をみたす現地材料が入手できないとぎは経済性を考慮して、セメソト、    石灰などによる処理を行う。
〔注3〕下層路盤材料の修正CBRを求める場合の締固め度は95%とする。

(2)上層路盤
 上層路盤は通常粒度調整工法、切込み砕石工法によるが、そのほかにマカダム、歴青安定処理、セメントまたは石灰による安定処理などの工法がある。
 粒度調整された材料(砕石、スラグなど)またはクラッシャランは最大乾燥密度め95%における修正CBRが60以上で0.4㎜ふるい通過分のPIは4以下でなければならない。歴青安定処理材料ではマーシャル安定度(60°C)は250kg以上とし、セメント安定処理材料は一軸圧縮強さ(7日)が25kg/cm2に相当するセメント量を用いるものとする。石灰安定処理では一拍圧縮強さ(10日)が7kg/cm2以上になるように石灰量を決めるものとする。

〔注1〕簡易舗装における上層路盤は経済的な範囲でできるだけ良質な材料を使用す    ることが望ましい。上層路盤材料の規定をみたざない材料においても各種の    安定処理を施せば経済的に利用し得る場合が少なくないので事前の十分な調    査が必要である。
〔注2〕セメントおよび石灰による安定処理ならびに歴青安定処理の試験はそれぞれ、    3-3-4-3、3-3-5-3および3-3¬6-3による。
  ≪以下、省略≫

以上、「『簡易舗装要綱』昭和54年版(社)日本道路協会」より抜粋。

(完)

ユーザー 匿名投稿者 の写真

前記要綱のとおり、
「〔注〕路盤上に直接厚さ3~4cmの表層を設けたものを簡易舗装といい、厚さ2.5以下の表層を施したものを表面処理という」とあり、表層5cm+下層路盤の舗装構成はアスファルト舗装、簡易舗装、表面処理のどの舗装にも該当せず、舗装とはいえない代物となる。

(完)