置換えコンクリートの施工範囲について

7m級のL型擁壁の直接基礎を厚さ2.6mの置換えコンクリートで全面施工にする予定ですが、全面とはいいつつも、擁壁底版の部分だけでいいのか、均しコンクリートのように10cm広めでいいのか、ある角度をもって荷重を分散させて2.6mの深さでの幅なのか施工範囲についての基準があるようでしたら教えてください。擁壁は道路構造物で重要なため、セメント系の改良、良質な土に置換える方法は除きました。

コメント

#1121

擁壁の前面(つまさき側)は斜面なのでしょうか?
でしたら擁壁が岩着する形状を計画した後、上のL型擁壁の応力を置き換えコンクリート(台コン)に伝え、安定計算により安定度を照査して形状の是非を確認する必要があります。

ある程度平地なのでしょうか。
でしたら、道路橋示方書下部構造編を参考に、基礎幅から両側に30°広がる範囲を改良されたら良いと思います。

ただし、セメント系改良、良質土置換ともに経済的で実績のある工法で、高規格道路でも用いられています。これらの工法が計算でもてば、コンクリート置き換えより安価となると思われるので、こちらを先に検討されてはいかがでしょうか。
コンクリート置換層厚が2.6mは、少し目立つので・・

#1129

匿名投稿者 による「」への返信

コメントありがとうございます。
紹介が遅れましたが、中堅のゼネコンで現場の技術支援をしているものです。

擁壁は斜面に計画されています。
泥岩に岩着の計画でしたが、
床付けから2.6m深い位置に出てきてしまいました。
再度、現場と発注者と検討してみます。
会社としては永久構造物なので、セメント改良等では心配なようです。

#1122

質問者の意図する回答には、ほど遠いと思いますが、
道路土工・擁壁工指針(日本道路協会 H11.3 112ページ)より引用します。

また,置換えコンクリートが基礎底面に占める割合が比較的大きい場合や,
底版下をすべてコンクリートで置き換えてしまうことは,
構造的,経済的に好ましくない場合があると考えられるため,
置換え基礎の範囲はある程度制限することが望ましい。

以上から判断するに、底版下全面置換えは望ましくないケースであり、
明確な基準・要領は無いと思われます。

現場の特殊事情で全面置き換えが必要と言うことであれば、
前出の「道路土工・擁壁工指針」や同指針でも紹介されている
「設計要領第二集橋梁編4章基礎構造」(平成10年 日本道路公団)
などを参考に安定計算をして、
必要な寸法の構造物を設計施工する事になると考えます。

#1133

#1122、#1125、#1127でコメントした者です。
現場を見ていないため、想像の域を脱しないコメントになってしまうのですが、
施工時の対応と言うことで工期、資材、その他の制約の中、御苦労されていることと思います。

現場の状況から必要と判断されるのであれば、何が何でもダメと言うことではなく、置換えコンクリート基礎の採用も有り得る話だと思います。
ただし、簡便な方法で寸法を決めるのではなく、(#1121)(#1122)等でコメントがあるとおり、安定計算を実施して決定する必要があると考えます。

御自身も仰っているとおり、現場と発注者とで十分検討されるのが良いと思います。

#1124

#1121さんの言うように、安易にコンクリート置き換えというのは、現場では認められたことがありません。RC砕石で置き換えれば材料単価が1/5程度ですし、荷重分散を考えて範囲を広げても材料費は1/2程度ですむと思います。
橋梁基礎などが岩着で設計されていた場合に、上部構造に影響が出るため、岩相当としてコンクリートで置き換えることはあるかもしれません。ご質問の場合のコンクリート置き換えは、理由付けが難しいのではないでしょうか。
良質土置き換えの場合は、通常の地山の状態に戻すことを考えてますので、底面の荷重分散範囲まで広げるのが妥当であると思います。角度は諸説ありますが、安全側で45度がよろしいのではないでしょうか。

#1125

荷重分散角度は
道路土工・擁壁工指針(日本道路公団 H11.3)の108ページに
30度の絵が載っています。

また、同指針111ページには
> 分散角度θは30°を標準とする。
とあります

特殊な事情がない限り、これに則るべきだと考えます。

#1126

平成2年版には、θ=45度となっておりました。平成11年版では経済性が重視されたのでしょうか。最新版を確認していないのは失礼しました。
しかしながら、この基準は日本道路公団発注工事のためのものであって、どこまで拘束力があるのでしょうか。

#1127

出典の記述を間違えておりました。
申し訳ありません。

誤:道路土工・擁壁工指針(日本道路公団 H11.3)
正:道路土工・擁壁工指針(日本道路協会 H11.3)

#1128

出典とページまで記載して頂きありがとうございます。
指針の通り、地中応力の分散角度は30°を標準とするようですが、
コンクリートの場合も30°でいいものか模索中です。

#1137

コンクリートの場合で岩着となれば、荷重分散は考慮しなくても良いと思います。
その代わりに擁壁のつま先にかかる荷重により、置き換えコンクリートのせん断破壊が起きないか検討する必要があるのではないでしょうか。
ところで、置き換えコンクリートを発注者に認めてもらう際には、「擁壁の高さを変えた方が経済的ではないか」という質問にも、回答を用意しなければならないと思います。つまり、不良土を掘削して7m+2.6mの擁壁を作ったのとどちらが経済的か。部材厚や鉄筋が大きくなり、一概には言えませんので、設計計算のやり直しという面倒なことになる可能性もあります。