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中筋 智之氏が文献を紹介されておられますが、かいつまんで説明します。
略算式は、次のように求まります。単鉄筋矩形断面で説明しますが、そのまま複鉄筋矩形断面にも使われています。図があるとわかりやすいのですが、ご容赦ください。鉄筋の引張力Tの作用点(鉄筋断面中心)とコンクリートの圧縮合力Cの作用点(三角形部分布の重心位置)の距離(梁の応力中心距離)が、鉄筋の許容応力σsaやヤング率比n(=Es/Ec)等が異なっても、近似的に(7/8~8/9)×d(有効せい)で表せるということを利用したものです。

まず、係数7/8~8/9(=0.875~0.889)ですが、設計上安全側に小さい値0.875として、以下、記します。
Cのまわりの曲げモーメントMの釣合式は、M=T×0.875×dとなります。T=σsa×Asですから、M=0.875d×σsa×Asと求まります。TのまわりのMとした場合も、C=Tですから同じ式が求まります。ここで、Mは、梁の引張鉄筋比が釣合鉄筋比以下の設計曲げモーメント(許容曲げモーメント)です。
また複鉄筋の場合は、圧縮鉄筋の圧縮力C’とCの合力の作用点が、Cの作用点近傍となることから、応力中心間距離を設計上安全側の0.875dとすることで、単鉄筋と同様の式となります。

実際に計算して厳密解と比較してみると、単鉄筋矩形断面の場合はよく合いますが、複鉄筋矩形断面の場合は、誤差が大きくなることがあります。上記の圧縮合力C+C’の作用位置が、圧縮側のかぶりの大きさ(圧縮鉄筋の圧縮縁からの距離)で変わるためと考えられます。
なお、以上の略算式はRCの断面計算でネット検索すれば、図入りで出てきますので、そちらをも参照ください。また、建築学会規準の中では、M=at・ft・j(t:添え字、at:引張鉄筋断面積、ft:引張鉄筋の許容引張応力度、j:梁の応力中心距離で、j=(7/8)d、d:梁の有効せい)として使われています。j=(7/8)dが一般的だと思いますが、J=7/8と表現することもあるようです。この場合、M=at・ft・j・dとなります。

私はというと、σ=M/I・y(厳密解)をExcelで計算しています。式がちょっと複雑で面倒くさいですが、一度組んでおけば、あとは厳密解が容易に求まります!

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