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貴殿の論考、興味深く拝見させて頂きました。(一年位前から発信されていたにも拘らず、本日まで機会を逸しており遅レスで大変恐縮ですが・・・)
自分は海外専門の建設コンサルタントと発注機関の間を二往復した経験だけのため、国内の建設業界の事情にかなり疎いところがありますが、海外の建設業界の実態拝見する範囲ながら、スーパーゼネコンから準大手に関する限り、何処も苦労されていますね?(各社とも海外受注は全体の1割有るか無いか程度です)。ここで「生産性」に関する認識について、例えば会計検査院はどのように言及されているのでしょうか?

貴殿の論考の趣旨から若干外れるかもしれませんが、国交省様提供のICT施工に関する有効回答数:13件の図を拝見してすぐ気が付いたのは、対数近似できるのでは?という点でした。
13件(プロット上は12点しか見当たりませんが?)をそのまま対数回帰させますと、大まかに以下の回帰式が誘導出来ます。(相関係数はあまり高くなく0.60程度です)
自然対数の場合:金額(但し、百万円単位)=2.00*Ln(土工量、但し千立米単位)-5.75、常用対数の場合:金額(同左)=4.61*Log10(土工量、同左)ー5.75
何れの場合でも18千立米前後がブレークイーブンポイントになります(大まかに18千立米より少ないと赤字、多いと黒字という意味になります)

他方で、30数千立米も土工量有るのに、赤字になっている(マイナス側にある)一点を棄却して、残り11点で同様に対数回帰した場合、回帰式は以下のように修正され得ます。
自然対数の場合:2.40*Ln(土工量)-6.30、常用対数の場合:5.53*Log10 (土工量)-6.30(相関係数は0.86程度まで改善されます)
この場合、ブレークイーブンポイントは14千立米前後まで若干下がります。

より多くの施工例から回帰分析すれば、もう少し精緻化できると思いますが、概ね15千立米以上ならICT施工導入のメリット有るかもしれないが、それ未満ならICT施工の導入のメリットが出難いと言えそうです。

ただし、大手が取り扱われる土工(国やネクスコのそれ)と、中小が取り扱われる土工(地方自治体のそれ)を同列で議論すること自体が前提条件として大丈夫か?という観点は甲乙丙の間で常に念頭に置いておくべきだとも思います。

例えば、比較的データが集積しています10千立米未満の施工例だけを抽出して、同様に対数回帰しますと、以下のような回帰式が誘導可能です。(相関係数:0.71)
自然対数の場合:3.43*Ln(土工量)ー8.05、常用対数の場合:7.90*Log10(土工量)ー8.05
この場合、ブレークイーブンポイントは10.5千立米になりますので、基本的に中小が扱われる地方自治体発注の10千立米未満の土工でICT施工を強要するのは、現時点では相当以上に考え物という判断を甲乙丙共が取るべきなのだと思いますし、会計検査院がそれらを指摘の上、じゃあどうするんだ?という議論に持ち込む必要あるのだと思います。

無論、ドローン測量やICT施工が一般化され、より廉価に対応できるようになれば、上記の閾値は5千立米辺りまで改善されるのかもしれませんが、それまでの間はその都度改訂すれば良いと思いますし、上記の閾値で区切った途端、大手・準大手は問題ないが、中小は何時まで経っても古いやり方でしか対応できないと二極化が進むことも考慮しておく必要あると思います。

石川県地震で被災者の皆様が経験されたように、中小の建機は非常時にあるとないとでは大きな差が出ます。中小企業の建機とオペレータは常に待機できるような仕組みが発注側に必要なのだと思います。
雪国ではそのような仕組みがあると伺っていますが、海外でも外注化が著しく、官が抱えていた建機は悉く陳腐化して、スクラップ寸前まで劣化していますが、防災対策が必要な国々では一定以上の建機は官が抱えないと非常時に役立たないという仕切りが根強く残っていますし、日本がそれを今でも支援し続けています。

上記とは別に、話が思いっきり飛んで大変恐縮ですが、工兵隊が訓練兼ねて道路整備を請け負う仕組みが残っている国々もあり、日本の場合、自衛隊の施設化部隊にその役割代行してもらうような仕組みがあってもよいと思います。
PKOに出られた施設化部隊と協働させて頂いた経験からも、同部隊の施工技術は天下一品です。最後の一線は現場で死守する、その費用は国家のために必要と言い切る政治力も時には必要なのだと思います。
なんなら、地方の各社は予備役(但し後方支援専門)に編入して、若手隊員へのOJT兼ねて、年のうち半分は現場に常に出る体制を維持する必要あると感じます。

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