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財務省(他業種)と国土交通省(建設業)の「生産性」に関する認識の乖離の可視化

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※建設業における「生産性」の定義齟齬問題については下記の前スレで、もう少し詳しく書いていますので関心のある方は参考に。
「建設業における生産性の定義が間違っていると思う件について」
https://jsce.jp/pro/node/8362

240205_【参考】財務省と国土交通省の生産性に関する認識の乖離
https://kkdoto-my.sharepoint.com/:b:/g/personal/tsuji002_kkdoto_onmicros...

上記の件に関しまして、国交省(建設業)と財務省(他産業)の「生産性」に関する認識について、図に可視化できましたので共有させて頂きます。
皆さまの感想やご意見を聞かせて頂ければ幸いです。
この一年、国土交通省の技術系総合職の方々と話していて、認識の齟齬が生じている部分に関しまして、可視化したものになります。

私の感じている印象としては、国交省の認識は費用の検討をしていると言いつつも物的労働生産性(人数・時間当たり仕事量が増える)が上がれば、付加価値労働生産性もあがると思っていて、緑線を上回っていれば、「付加価値」の青線も上回ると思っている。
(「効率化=生産性向上」の認識で緑線の位置に青線があると思っている。もしくは同じようなものだと捉えている。)
ところが実際は「効率化≠生産性向上」であり、実際の位置関係は図示の通りで、緑線の上に付加価値労働生産性の青線があって、財務省が指摘しているように青線を上回らないと付加価値労働生産性は上昇しない。緑線と青線の間は一見すると採算が取れているように見せかけて、従来工法よりも利益率が悪くなっているため、施工企業の採算は悪化している。結果を出すためには付加価値労働生産性の青線を上回らなければならないのですが、青線を認識できている企業の数も非常に少数で、日建連の事例では3.6%(5社/139社(粗利:3社、利益率:1社、原価:1社))程度なので、そもそも官も民も青線自体を認識できていないのが実態かなと。(生産性向上要綱2016年のフォローアップ報告書より)

しかし…日建連の事例でいけば96~97%の人には青線が見えていないっていうのも図にすると恐ろしいことですね…。2枚目が国交省のオリジナルのデータになりますが、多くの人には2枚目のようにしか認識できていないっていうことに恐怖を感じます。
※青線を超えるためには、青線を認識出来ていて、かつ青線超えるための作戦たてて、試してみて、それでも上手くいくかどうか分からないのに、認識すらできていない者が青線の上にいくのはほぼ不可能です。

端的に言うと、国交省は「緑線より上だから効果あります!」って言ってて、財務省は「青線(付加価値労働生産性)より下だから結果出てないよね?」って言っている状況で お互いが基準としている線が見えておらず、会話が全く嚙み合っていないコントみたいになっています。
※まあ、全く笑える状況ではありませんがね…。
また、財務省からすると「国交省は「生産性(付加価値労働生産性)」上げるって言って予算とったよね?」なので、青線上回らない限り約束守っていないって怒って良いという状況で、この件に関しては財務省の言っていることが、残念ながら正しいと言わざる得ない状況です。
関係者が悪意を持ってこのような状況にしたとは思ってはいませんが、官も民も「生産性」っていう指標自体を理解していませんでしたっていう話は、建設業の経営に携わる者としては恥ずかしい話ですし、非常に残念なことです。

せめて、「生産性」を緑線ではなく青線で議論する建設業界であって欲しいと思って投稿させていただいています。
建設業では最近は新3Kとか新4K(給与が良い、休日が取れる、希望がある+格好良い)を標榜しているところではありますが、これらを達成するためには財務省や他業種がいうところの付加価値労働生産性の向上が必須になります。その指標の定義すら分かっていないで、これを標榜しているのってどんな気持ちでしょうか?「口先でだけ威勢の良いことを言って、本当に真摯に取り組んでいないことは、格好悪いことではないでしょうか?」と私は問いたいし、そんな口先だけの姿勢を若者に見抜かれているからこそ、建設業界に行きたくないと思われているのではないかと私は思っています。これを読んでくれた方のただ一人でも感化を与えることが出来れば私の労は報いられる次第です。

3ページ目以降に参考資料として日建連の資料の関連個所の抜粋を入れています。ところで付加価値(粗利)で現場の生産性を図ることが出来ないって言っている意味が分からなかったので、特に日建連の会員企業の方、コメント頂けると幸いです。
※粗利で生産性図っている企業3社いるのにどうして企業全体の指標とか思ったんですかね…。まあ、完工高で生産性を図る指標設定だからこそ売上増えて利益が減る増収減益傾向の企業が多いのかなと思っていますが…。

補足
図中の国交省がH28年度のデータなのに赤線でH31年度のデータで線を入れている理由は積算システムで2019年(H31年)までしか遡れなかったためです。
青線見えているかどうかが大事な話で大勢には影響しない話なので、大した話ではありませんが一応の補足になります。

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