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#9062 Re: 擁壁の裏込め土の必要性
皆様からの回答について,理論・実験・設計の点で以下に補います.
文面から,風化岩が落石する条件でなく,傾斜地での宅地や道路側方の粘性土又は砂質土が主働破壊しない様にするRC擁壁が対象と私は読み取りました.
傾斜乾燥砂地盤の安息角は,N値=20の礫混り砂では,大崎の式に拠る内部摩擦角φ=15+(15N)^0.5≈32°未満です.不飽和砂ではメニスカスを形成しsuction
(負圧)に拠り或る程度自立しますが,乾燥又は飽和すると崩れます.
摩擦係数はμ=tanφで,(動摩擦係数)<(静止摩擦係数)(文献1),即ち,地震時には常時よりも安息角が小さく成ります.
粘性土の場合,限界(自立)高さH_c[m](文献2)は,
H_c=(4c/γ_t)tan(45°+φ/2).
此処に,c:粘着力[kN/m^2],γ_t:土の湿潤単位体積重量[kN/m^3]
粘土は乾燥時に圧縮されて固まりますが,含水比が液性限界を超えると液体状に成ります.
従って,供用期間に切土のみでは崩壊するriskが高い箇所に倒立T形擁壁を設け,下記の設計条件(文献3)から土を裏込めする必要が分かると思います.
・住宅では上載荷重98kN/m^2を考慮し,鉛直壁摩擦角はδ=φ_1/2(φ_1:裏込め土の内部摩擦角)で,常時・地震時の主働土圧係数を求める.
・剛体安定に対し,転倒・滑動・鉛直支持に対する終局限界状態を検討する.
・擁壁自重及び鉛直壁仮想背面とfooting踵版との間の土重量を求め,常時・地震時の鉛直壁・footingの曲げ・剪断耐力・ひび割れを照査する.
参考文献
1)物理基礎,数研出版
2)Terzaghi:Theoretical soil mechanics,1966.
3)岡村甫・前田詔一:鉄筋コンクリート工学,1995.1