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#7964 Re:急曲線重要構造物下での小口径shield工法の地盤変状工夫案
1. 3 hinge鉄筋concrete(以下でRC) (ホ゛ルトレス三等分割)segment(文献1)
3 hinge RC segmentが使われた理由は、反力が3 hingeでの法線(半径)方向のみが前提で、不静定次数(r)がr=(反力数)+(部材間拘束数)-3×(部材数)=3+2×3-3×3=0の静定
構造でしたが、当該地盤では「示方書(文献2)」に拠り側方土圧係数が0.50程で、頂(crown)部は常時に内空側に変形して主働側と成り、実際は受働側の法線方向及び接線方向に
剪断ばねが生じて不静定次数は∞である事が「地下利用学(文献2)」に記されている。当該地盤は緩い砂の為、固い(良い)地盤に限られるsegment(横断方向、piece間)継手を、いも継で
なく、曲げmomentに抵抗できないhingeを曲げmomentの大きさが内空側で最大と成る頂部及び地山側で最大と成るspring line(水平直径点)且つ隣接鋼製segmentの主断面と比し曲げ耐力が小さ
いsegment継手と重ならない位置で2 ring 1 cycle千鳥組にしてring全体の変形を低減するのが実際と私は判断します。
当該工事では曲率(線)半径17mの曲線が在り、曲線外側のshield jack推力を大きくせざる得ない状況に成ると曲線内側のring(縦断方向)継手が目開きを起こし水だけでな
く土が浸入する恐れが有るので、全線を引張耐力を確保できる鋼製segmentに設計変更して頂いた方が適切と私は判断します。其の場合も、縦断方向segment ringを梁に、地
盤との相互作用をばねでmodel化して片押しする軸力及び曲げmomentを作用させて曲線内側のring継ぎboltが施工時許容応力度(常時の1.5倍)以下と成る仕様に強度を上げる
か本数を増やす必要が有ります。
設計変更が間に合わない又は工費の制限から3 hinge RC segmentを使わざるを得ない場合、RC segmentが鋼製segmentと接続するring継手として剪断耐力及び圧縮耐力を有
すが引張耐力が無い臍(ほぞ)でなく短bolt継手とし、横断方向segmentを梁、segment継手を曲げmomentに対する回転ばね、ring継手を剪断ばねにmodel化してring継手が常時許
容剪断応力度を下回る事を確かめた上で、前記縦断方向梁ばねmodel照査をした方が良い。此の結果として曲線に入る直前のringを鋼製segmentとしたり、曲線外側の地盤反力
を確保する為、地盤改良を要する場合が有る。
2.地盤の変状を抑える施工管理
2.1泥土圧
泥土圧shield(又は泥水式shield)として、ハ゛ルクヘット゛(隔壁)に付ける圧力計での土圧及び水圧を下記のRankineの主働土圧+余剰圧(一般値20kN/m^2(kPa))で管理する。
当該地盤は緩い砂で全土被り分の鉛直方向土圧(pe)は、供用中に作用するとし、地下水位から静水圧が作用するとし、p_eは、土の単位体積重量として、地下水位より上部
では湿潤単位体積重量γtを、地下水位以下では水中単位体積重量γ'(γsub)を用いて算定する。
p_e=p_0+Σ(γ_ti・Hi)+Σ(γ_i'・H_i)・・(1)
ここに、p_0:上載荷重(各区間で自動車に因るT-25又は鉄道荷重が45°の角度で分散するとし、建物荷重の一般値10kN/m^2と比較した大きい方の値) γ_i'、γ_sati:各土層の水中、飽和
単位体積重量[kN/m^3]浮力に関するArchimedesの原理に拠り、γ_i'=γ_sati-γ_w γ_w:地下水の単位体積重量(=10kN/m^3) H_i:各土層の層厚[m]
と表され、上記の様に、静水圧が作用するとして、式(2)となる。
p_w=γ_w・H_w・・(2)
ここに、H_w:地下水位からの深さ((3~4)-(管底から圧力計迄の高さ))[m]
∴p=p_e+p_w
圧力計位置での水平方向荷重(q)
土圧:q_e= p_e・[tan(45°-φ/2)]^2ここに、φ:砂の内部摩擦角[°]
水圧:q_w=p_w(Pascalの原理に拠る。)
∴q=q_e+q_w
2.2添加材
岩石の主成分であるcolloidal silica(SiO2)等で細粒分を補い、塑性流動性を確保し、構造系 氏が記された様に、砂と水との分離を防いで排土する。排土量の管理は、掘進
した体積に添加材を加味して質量で管理する。X線等を用いて体積管理する事も有る。boring位置と離れている掘削位置では掘削土の篩分け試験をして、急変時には適切な添
加材を対応するのが良い。
2.3裏込め注入
同時(又は)即時注入とし、注入圧を切羽圧力+(50~100)kN/m^2、注入率を132%程(地盤に依る。)を管理値とする。(私が総合建設会社在職時、小口径鋼製segmentを選定
させて頂いた例を文献4に記す。)
2.4 影響検討
鉄道横断部では有限要素法に拠る逐次解析をし、掘削に伴って緩むtunnel上部の範囲を地盤改良するかを判定した方が良い。水準測量をして変状に早く対応した方が良い。
3. 施工時荷重対処
(shield jackを後胴に装備しsegment縦断方向に平行になる様に配し偏心曲げmomentが作用しない様にする。)shield jack spreader球座の中心とRC segmentの縦断方向図
心をできるだけ近付けshoeを横断方向で均等に配置する。鋼製segmentの縦断方向図心はRC segmentよりも外側の為、可能ならば鋼製segment区間で使うspreaderも用意する
と縦ribの座屈を防げる。当該地盤では、推力過多に成らないと推定され、1種だけ用意するならば無筋concreteの被りが剥離又は割れ易いRC segmentの図心に近づけるspreader
を装備した方が良い。
参考文献
1)mini shield工法協会
http://www.minishield.com/segment/
2)土木学会:トンネル標準示方書シールト゛工法編p48、2006. 3)小泉淳監修:地下利用学、p86、技報堂、2009.10.
4)佐藤誠・徳山哲也・中筋智之・山下武男:東京カ゛ス砂町運河横断工事,p54、トンネルと地下、2000.11.
https://app.box.com/s/xgosciht3umylxjpyt308sk20sd0wmuf