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#7832 Re:震度は、地盤と地震の周期及び震源との位置関係に因り、必ずしも地盤が軟らかいと揺れ易いと限らない。
ご質問に関して、改訂年毎の「日本道路協会:道路橋示方書」に拠る耐震設計上の地盤種別及び(表層)地盤面における設計水平震度の標準値を下表に私は纏めました。
耐震設計上の地盤種別 地盤面における設計水平震度の標準値(khg0)
地盤種別 地盤の特性値TG[s] Level1地震動 Level2地震動
(typeⅠ) (typeⅡ)
2002年、現改訂 1996,2002年、現改訂 1996,2002年、現改訂
Ⅰ種 TG<0.2 0.16 0.30 0.50 0.80
Ⅱ種 0.2≦TG<0.6 0.20 0.35 0.45 0.70
Ⅲ種 0.6≦TG 0.24 0.40 0.40 0.60
耐震設計(検討)での基盤面よりも上の表層地盤の基本固有周期(特性値)TG[s]に応じて地盤種別は、仰る様に硬いⅠ種から軟らかいⅢ種に区別され、Level2地震動の内、大陸
plateと海底plateの境界で起こるtypeⅠ地震動について、平成8,14年改訂では1923年の関東地震に際して東京周辺で生じた地盤上の加速度は0.3~0.4g(ここに、g:重力加速度
≈9.80665m/s^2)と推定され設計水平震度はⅢ種の方が大きかった。表層地盤の固有周期と地震動の周期が一致すると、地盤に因る減衰を考慮しても変位が急増する共振現象を起こ
し、2011年の東北地方太平洋沖地震を例とする大震災後に改訂される際、必ずしも軟らかい地盤の方が揺れ易いとは限らず、河井 正 氏に拠る土質動力学で議論に成りましたが、設
計水平震度は震源との位置関係にも因り、magnitude 9以上も有るplate境界型地震よりもmagnitude 8未満の1995年兵庫県南部地震に因り地盤上で観測された加速度強震記録
に基く内陸直下型地震の方が大きいと私は判断します。
参考文献
1)(社)日本道路協会:道路橋示方書・同解説Ⅴ耐震設計編、平成14年3月 2)(東北大)河井正准教授による2018年土質動力学講義資料