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#733 擁壁などの縦クラック
擁壁などの縦クラックが、どこまで許容されるのか、ということですが、
本来、クラックは無いに越したことはありません。クラックがあれば、雨水
や海水がコンクリート中に浸透して中性化し、これが進めば鉄筋が腐食して
構造物の強度が低下することになります。
そうは言っても、コンクリートには打設時点から徐々に乾燥収縮や基礎の
不同沈下、荷重のばらつきなどにより、クラックが入ります。これを完全に
無くすことは非常に困難です。
そのため、構造物の種別や目的、周辺環境によって、一定程度まではクラ
ックを許容するよう基準を作っています。(その値は道路、鉄道、港湾など
それぞれの設計標準に規定されていますので、興味のある部門の設計標準を
入手して調べてみて下さい。)
なお、縦クラックが(一定程度)許されて、横クラックが許されない理由
ですが、横クラックが発生する、ということは、擁壁などの縦方向の主鉄筋
の量が不足し、壁がはらんでいることを示しているからです。
蛇足ですが、「誘発目地」は、擁壁の一定間隔ごとに断面の小さいところ
を意図的に作ってそこにクラックを集中させることにより、美観を維持する
ものです。