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構造力学的には設計荷重形態が違う場合には、橋桁断面の再計算を推奨します。
それは橋が受ける荷重重量が同じであっても、形態によって発生する断面力が違うからです。

活荷重の形態が違うものをton数だけで通行可能か判断できる構造設計者は存在しません。
1等橋2等橋の頃は線荷重(集中荷重)が混在しており、今のAB活荷重(等分布荷重)とは違います。
それでも無理矢理ですが、車道幅5.5m、AB活荷重の主載荷載荷長10mに合わせて比較します。
何故に車道幅5.5mで比較するのかは道路橋示方書をお調べ下さい。

現行の道路橋示方書での主載荷荷重p1(支間長≦80m、せん断力を算出する場合、衝撃係数の考慮なし)
B活荷重:幅5.5m×載荷長10m×等分布荷重12kN/m2÷9.81≒67ton
A活荷重:幅5.5m×載荷長 6m×等分布荷重12kN/m2÷9.81≒40ton
ただし、1橋につき1組です。
1等橋:5ton/m×幅5.5m+幅5.5m×載荷長10m×等分布荷重0.35t/m2≒47ton
2等橋:1等橋の70%≒41ton
これは車道幅5.5m限定のとても危険な比較なので、この場の説明のためと思って下さい。
念を押しますが、1橋につき1組です。

これだけを見て「何だ、今はこんなに耐えられるのか」とは簡単に思わないでくださいね。
しかし、1等橋2等橋の頃に設計された橋を今の荷重で照査する必要性は感じられると思います。

橋と一概に言いますが、幅員構成、支間、桁高、桁配置など様々な要件があり、
同じ橋は存在しないので個々に設計(主桁断面形状決定など)が行なわれております。
コンクリート桁のように標準的断面は存在しますが、上記条件により各桁の持つ余力が違います。

例えば、支間長25mの単純橋に前輪と後輪の軸方向間隔が25m以上の25ton車が1台だけ通過するとします。
前輪と後輪の軸重を同じとすると、車両通過時に前後輪が同時に橋に載ることはありませんから、
橋が受ける最大荷重は12.5tonとなります。
では、前輪と後輪の軸方向間隔が25m未満の場合は前後輪分を橋が受けるので、
橋が受ける最大荷重は25tonとなります。
上記のようにタイヤからの重量(軸重)とその間隔によって橋が受ける重量が違いますので、
規格外重量物を積載した車両を通過させる場合などには再照査が必要です。
逆に言いますと、橋の耐力に合わせてタイヤ(軸重)を分散させれば良い場合もあります。

ここまで危険な説明を書きましたが、活荷重は交通調査結果から専門家が決めている数値です。
数値の決め方よりも、どのように道路を管理するかが問題だと思います。
確かに、総重量25ton以上の物を通過させられますが、支間長、軸重配置など諸条件に依ります。
20ton車や25ton車が通れますが、何台も縦列や並列に並べれば橋が壊れます。
道路橋示方書では「1橋につき1組」と記述してある点を決して忘れないで下さい。

最後に、AB活荷重で設計してあっても、メンテナンスが行われていない橋梁は傷んでいます。
それ以前に設計された橋でも、メンテナンスが行われていたり、健全度調査が行われてれば、
橋の崩落などの不測の事態を迎えることは防げると思います。

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