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鉄筋の基本定着長ldはコンクリート標準示方書(構造性能照査編)の9.5.5(1)もしくは(2)に示される通りです。従って、(1)も(2)も基本定着長ldとなります。

(1)は数式で与えられていますが、(2)は言葉で説明されているため、混乱の原因となっているのではないでしょうか。(2)ではld=1.3Xldとなります。

解決策として長い方のld X 1.3 X 1.3を採用するとのことですが、結果は正しいので異論はありませんが、基準に従えばこれが正しいということをぜひご認識して頂きたいと思います。鉄筋径ごとに重ね継手長さを示す表を作成する場合、必ずTop barとその他の場合に分けます。そして、Top barの場合は3割増しになる、ということです。

コンクリート標準示方書のベースとなっている米国基準ACI 318ではより明解です。基本定着長ldの算定式の中にα(reinforcement location factor)なるものが含まれており、Top barの場合はα=1.3、その他の場合はα=1.0となっています。

そして、コンクリート標準示方書と全く同様に?重ね継手の集中度(同一断面の50%以下か50%を超えるか)と?配筋量(必要鉄筋量の2倍以上か2倍未満か)に応じてldをX倍することにより重ね継手長さが求められます。

ACI 318では、

(1.0 X ld)をClass A splice
(1.3 X ld)をClass B splice
(1.7 X ld)をClass C splice

と呼んでおり、それぞれ対応する条件の組み合わせはコンクリート標準示方書と同じですが、最新のACI 318ではClass Cの場合(すなわち、同一断面の重ね継手の集中度が50%を超え、必要鉄筋量の2倍より少ない鉄筋しか入っていない場合)も係数Xは1.7からClass Bと同じ1.3に変更となりました。定着長の算定式がコンクリート標準示方書とは異なりますので単純に比較できませんが、ご参考まで。

蛇足ですが、鉄筋の重ね継手と位置は施工者ではなく設計者が決めます。米国ではこれが徹底していますが、我が国では必ずしもそうではないため、現場で混乱を来すことがあります。質問者の方は設計者の立場なのか施工者の立場なのかわかりませんが、もし後者であれば必ず設計者にフィードバックして問い質して頂きたいと思います。

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