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 設計は全断面圧縮状態に成る場合と曲げ引張応力が生ずる場合に拠って異なり、下式に拠り判別する。
 Ki=Ii/[Ai(h-u)],f=u-(h/2-e),Ai=bh+n(As+As') (9),u=[0.5b・h^2+n(As・d+As'・d')]/Ai (10)
 Ii=(b/3)[u^3+(h-u)^3]+n[As(d-u)^2+As'(u-d')^2] (11)
 此処に、Ki:concrete換算等値断面の軸力に近い側のcore(核)距離[mm]
 f:換算等値断面の図心から軸力位置までの距離[mm] e:断面の中心から軸力位置までの距離(e=|M/N|)[mm]
 Ai:換算等値断面積[mm^2] b:断面幅[mm] M:設計用曲げmoment[N・mm/b]
 N:設計用曲げmoment発生位置での軸圧縮力[N/b] h:断面高(厚)[mm]
 n:鉄筋とconcreteとのYoung(弾性)係数比(応力度の計算ではn=Es/Ec=15を使用する。)
 Es:鉄筋のYoung係数(=210kN/mm^2) Ec:concreteのYoung係数(=14kN/mm^2)
 As、As':引張側、圧縮側主鉄筋断面積[mm^2/b] d,d':引張側、圧縮側主鉄筋有効高さ[mm]
 Ii:換算等値断面積の図心に関する断面2次moment[mm^4]
 u:軸力側縁端からconcrete換算等値断面図心までの距離[mm]
 f>Kiの場合、断面は曲げ引張を受け下式で算定する。矩(長方)形断面中心での外力と内力との平衡条件から、
 N=σc・b・x/2+As'・σs'-As・σs (16) M=σc・b・x(h/2-x/3)/2+As'・σs'・c'-As・σs・c (17)
が得られる。曲げ応力度は中立軸からの距離に比例する平面保持の仮定に拠り、
 σs=(n・σc/x)(c+h/2-x)≤σsa (17) σs'=(n・σc/x)(c'-h/2+x)≤σsa (18)
 此処に、x:圧縮縁から中立軸までの距離[mm] σc:concreteに生じる最大圧縮応力[N/mm^2]
 σs,σs':引張側、圧縮側主鉄筋に生ずる曲げ応力度[N/mm^2] c,c':中心軸から引張側、圧縮側主鉄筋まで距離[mm]
 σsa:鉄筋の許容圧縮・引張応力度の絶対値(大きさ)[N/mm^2]
 M=Neに式(16)及び(17)を代入すると、
 x^3-3(h/2-e)x^2+(6n/b)[As(e+c)+As'(e-c')]x-(6n/b)[As(c+h/2)(e+c)+As'(e-c')(h/2-c')]=0(20)
と成る。xに関する3次方程式をFontana-Cardanoに拠る累乗公式又はNewton法に拠る近似計算で解く。式(17)に式(18)及び(19)を入れると、
 σc=M/[(b・x/2)(h/2-x/3)+(n・As'/x)c'(c'-h/2+x)+(n・As/x)c(c+h/2-x)]≤σca (21b)
 対称断面の場合、As=As'、c=c'で
 σc=M/[(b・x/2)(h/2-x/3)+2n・As・c^2/x]≤σca (24b)
 此処に、σca:concreteの許容圧縮応力度[N/mm^2]
と成り、貴殿が調べられたconcreteの断面係数(Wc)は、対称断面での式で、d-d'=2cであるから、式(24b)右辺の分母であ
る断面係数は、
 Wc=(b・x/2)(h/2-x/3)+n・As・c(d-d')/x
が正確と私は推し、ご検討下さい。
参考文献
1)吉田 徳次郎:鐵筋コンクリート設計法、養賢堂、昭和7年,pp.240-253
http://library.jsce.or.jp/Image_DB/s_book/jsce100/pdf/28355/28355_02.pdf
2)(社)土木学会:セグメントの設計,平成6年 3)遠山 啓:数学入門 上

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