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1. 1934年のSteinbrennerによる近似変位解
 有限地盤(厚さ;h)上の一様なx軸方向長さ(a[m])、y軸方向長さ(b[m])のp0[kN/m^2]に因る隅角部表面沈下は、近似的に一様地盤に対する同一荷重に因る隅角部沈下と、
その真下(h)に於ける沈下の差と考え、近似的変位の式は、式(1)で表される。
 we=[p0(1-ν^2)b/E]{KD1+(1-2ν)KD2/(1-ν)}=[p0(1-ν^2)b/E]Is・・(1)
 ここに、KD1=(m/π)+ln{[(m+(m^2+1)^(1/2)](1+ns^2)^(1/2)}/[m+(m^2+ns^2+1)^(1/2)]
    tan(2πKD2/ns)=m/[ns(m^2+ns^2+1)^(1/2)
    m=a/b,ns=h/b bは長辺として常にm≼1とする。
    ν:Poisson比[1]|(横歪み)/(縦歪み)|,ln;自然定数e≒2.71828を底とする対数,E:地盤の変形(弾性又はYoung)係数[kN/m^2]E=σ/ε,σ:圧縮応力度[kN/m^2]
    ε:軸方向(縦)圧縮歪み[1],Is:沈下の影響係数[1]樋管のため、方形のIsの表を以下に記す。

        中心 辺の中点 頂点(隅角部)
方形(一辺長をb) 1.12 0.78 0.56

 粘土層の剪断変形に因る瞬(即)時的沈下(Si)は、ν=1/2の時に圧密変形と等価な容(体)積変形が消され、式(2)となる。
証明;直方体に軸方向圧縮力のみが作用する変形前後の体積差が0になるのは、
 (1-ε)(1+νε)^2-1≒(2ν-1)ε=0(εの2次以上の微小項を無視)
の時で、ε>0よりν=1/2□
 Si=3p0・b・Is/(4E)・・(2)
 地盤内応力条件に合わせて圧密した供試体の三軸非排水圧縮試験を行って求めた応力と歪みとの関係からEを知る。
2. 圧密沈下量
 圧密沈下量(Sc)は、式(3)に拠る。
 Sc=μsS0・・(3)
 S0=∫mv・σ1p0 dz(積分区間;0からh)
 μs=∫σ1p0[A+σ3p0(1-A)/σ1p0]dz/∫σ1p0 dz(積分区間;0からh)
 ここに、mv:体積圧縮係数mv=Δε1/Δσ1'[m^2/kN],Δσ1':(鉛直方向)有効応力変化[kN/m^2],Δσ1:(鉛直方向)全(主)応力変化[kN/m^2],Δu:過剰間隙水圧[kN/m^2]
    Δε1:(鉛直方向)歪み変化[1],z:地表面からの鉛直方向深さ[m],A:間隙圧係数 過圧密粘土では0.3~0.7
    σ1p0,σ3p0:等分布荷重に因る鉛直、水平方向応力[kN/m^2]
     Boussinesq応力の積分で見積もり、今回、-a/2≦x≦a/2、-∞≦x≦∞なる帯状等分布荷重として、xz平面についての平面歪み状態を考え、x=0に於けるMichellの
     公式から式(4)の様に導いた。
 σ1p0=(p0/π)[2θ+sin(2θ)・cos 0]=(p0/π)[2θ+sin(2θ)]・・(4)
 σ3p0=(p0/π)[2θ-sin(2θ)・cos 0]=(p0/π)[2θ-sin(2θ)]
 tanθ=a/(2z)
 従って、粘土層の全沈下は式(2)、(3)に拠る、Si+Scで評価できる。
 砂地盤では圧密は無いから、沈下は式(1)のweと考えられる。しかし、E,νは密度に依って大きく変わり、拘束圧に依っても影響される。砂地盤ではEが深さに比例的に増
加する傾向が有り、不均一地盤の性質が顕著で荷重面周縁部と中心部で拘束圧が異なり変形抵抗も大きく変わる。砂地盤の沈下要素は、
(a)深さ及びEに関係し、載荷面積が大きくなるにつれて増す載荷面直下の砂の圧縮に因る物
(b)載荷面周縁部の拘束に影響し載荷面積が小さい程、沈下が大きくな砂の側方へ移動することによる物
に分けられる。
 この様な理由で砂地盤の沈下量を解析的に求める事の合理性は疑わしいが、近年、Finite Element Methodがcomputerの性能向上と共に発達はしており、経験的な提案
公式が信頼され、樋管を想定して、経験式の内、例えばMeyerhofによる式(5)を記し、実測値に比して過大(設計上の安全側)となる傾向が有る。
 Sa=[p0/(0.22N)][2a/(a+0.3)]・・(5)
 ここに、N:標準貫入試験によるN値[回]
参考文献 
1)最上 武雄 編木村 孟(つとむ)執筆箇所:土質力学、pp282,286 2)山口 柏樹:土質力学、pp104,143,145,155-161、1980.11.

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