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 温度上昇による膨張を拘束されて生じる、圧縮応力であると思われます。
 温度ひび割れに対する私のイメージを申し上げます。まず、一本のコンクリートの棒を想像して下さい。片方を固定して、他方を自由にしておけば、温度の上昇・下降によって棒は自由に伸び縮みします。両端を固定しますと、温度が上昇すると圧縮ひずみが発生し、温度が下降すると引張ひずみが発生します。このような拘束が、コンクリート打設時の内部拘束や外部拘束と同様であると私は考えています。
 ただ違うことは、コンクリートの弾性係数が時間によって変わってくるということです。応力度は
  応力度=弾性係数*ひずみ度
で表されることはご存じだと思いますが、弾性係数が打設後の経過時間によって、ゼロから一定値まで上昇します。したがって、
打設直後  :温度上昇−>圧縮ひずみ発生−>
           圧縮応力度=0*ひずみ度=0
打設後数日 :温度上昇−>圧縮ひずみ発生−>
           圧縮応力度=E1*ひずみ度
さらに数日後:温度下降−>引張ひずみ発生−>
           引張応力度=E2*ひずみ度
ここで E1<E2 ですので応力度を積算していくと、引張の方が勝って来るという訳です。引張応力度がコンクリートが持っている引張に対する抵抗力を上回るある時に、ひび割れが発生すると考えています。
 この引張応力度と、コンクリートの引張強度(時間経過によって上昇)の比をひび割れ指数と呼んでいます。

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