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ユーザー 阪本 廣行 の写真

 確かに匿名さんのおっしゃるように六価クロムの溶出のメカニズムに関しては複雑だと思います。六価クロムが溶出するとされている土は、殆どが火山灰質粘性土の改良土です。報告書ではこのような土に関して溶出が起こるメカニズムに注目しているわけですが、六価クロムは還元されやすく、植物の腐植等を多く含む土等では、植物のフミン酸やタンニンなどが還元性を有しているため、このような腐植等により六価クロムが容易に還元され三価のクロムになってセメントの水和反応が阻害されても六価クロムの溶出が抑制されるようです。セメント改良土の六価クロム溶出抑制の一手法として高炉セメントB種を使用するのも、高炉セメントに含まれるスラグの硫黄分が還元剤として働くためだと考えられています。また、植物の腐植は重金属類と錯体を形成して不溶化する効果もあるという文献もあります。
 いずれにしても、土の雰囲気が還元状態か酸化状態であるか、土の持っている有機物の腐植の状態、土粒子の吸着特性や還元性を有する鉄などの含有の有無、セメントの六価クロム含有量等様々な要因が絡まって溶出したり、しなかったりするもののようです。ですから、溶出しにくいとか溶出しやすいということは土と固化材の組合せで大体分かるのですが、どのような組み合わせにおいても100%溶出しないと言うことがいえないため、セメントおよびセメント系固化材で改良するときには事前に配合試験をして六価クロム溶出の有無を確認するようにしています。

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