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#6087 Re: 地震時の円弧すべりについて
地震動は過渡(非定常)現象ですが,Δu法もKh法も定常現象の理論を基にした評価法です。そのため,使いこなしが極めて重要です。Δu法では,地震動が終わった後を解析対象とし,Δuの最大値がまだ残っており,時間と共に減衰しないと仮定しています。Kh法では地震力が水平方向にしか働かないという仮定の他に,想定加速度(最大加速度ではない)が十分長く持続すると仮定しているので,斜面に働く力は実際とはかなり異なります。東北地方太平洋沖地震のように地震動が長く続く場合は,ご指摘のように地震動も過剰間隙水圧も同時に働くはずです。したがってΔuとKhの両方を考慮することが必要です。ただし,考慮の仕方は決して単純ではないことも理解して頂けたと思います。例えば兵庫県南部地震による構造部材の破断に関してはKh法において最大加速度を採用し,慣性力の働く方向を考慮するし,緩傾斜の土構造物に対しては,ピーク地震動よりも累積効果としてのΔuを重視するなど,です。