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 私が学生の頃は「完全流体」という語ではなく、「理想流体」という語が使われていました。いつ頃から変わったのでしょうか?
 それはとも角、粘性は流体内の任意の平面を通して分子の運動量交換があるために、その平面上にせん断応力が生じることで生まれます。したがって、粘性を無視することは分子間の運動量交換を無視することと同じです。その結果、乱流の原因である流体内の渦(微小な乱れの単位)による運動量交換も生じないことになります。
 「理想流体は粘性係数をゼロに近付けた極限の流体」というものではありません。したがって、レイノルズ数が無限大という考え方は成り立ちません。しかし、面白いことに、理想流体はレイノルズ数無限大の流体にとても良く似ていることも事実です。
 たとえば、円管内の流れは粘性流領域では速度分布が放物線状になります(管壁で速度ゼロ)。これに対し、理想流体では管壁から中心部まで一様な分布になります。
 ところが、乱流領域に入ると、実際の流体でも境界層の部分を除けば、一様な速度分布になります。そして、管の流体抵抗(圧力損失)の大部分は粘性が支配する境界層の性状によって決まります。レイノルズ数が大きくなると境界層は層流境界層から乱流境界層に遷移し、その厚さは薄くなり、抵抗係数(圧力損失係数)は小さくなります。つまり、理想流体の流れに近付きます。
 同じ理屈が、翼のまわりの流れなどにも成り立ちます。
 境界層の厚さの変化や剥離の条件などは粘性流体として扱わなければ評価できませんが、境界層の外側の空間での流れは理想流体として計算できます。そこではベルヌーイの法則がきちんと成り立っています。
 このように、理想流体も、境界層の外側で、流体機器の設計などにしっかり役立っているわけです。

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