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裏込め土の定数を決定するには、土質試験の結果から求めるのが基本ですが、「8m以下の擁壁で土質試験が困難な場合」(日本道路協会出版図書 道路土工−擁壁工指針)には、貴殿がおっしゃる「経験的に推定した定数」を使ってよいことになっています。そういう意味では、この定数を使うのは、あまり大構造物ではない場合が前提です。
ご質問の「なぜ粘性土なのにCを無視」という疑問はごもっともです。私の理解は、「粘性土のφ25度というのは、その中に粘着力の強度も含んでいる」というものです。粘性土にしてはφ25度というのはちょっと高めのように思います。ですので、本来であるならば、φ15度・C1.0 tf/m2などとしなければならないのでしょうが、上記にあるとおりの所詮は「経験上の推定値」なので、それらを全部含めてカンタンに「φ25度(粘着力の要素を含む)」としていると思っています。
土圧は水圧と違い、かなりミズモノであることはご理解ください。計算上は数値できっちり出ますが、実際出来上がった構造物に計算どおりの土圧がかかっているかどうかは、非常に疑問です。そういう意味から、推定値を使用して、不安なところは、安全率という概念を導入してカバーする、という形をとっています。よってこんな単純化がゆるされるのでは、と私は理解しています。

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「乱す」という表現がかなり抽象的なのですが、確かに「乱した粘土は強度が低下する」とよくいいます。しかし、どんな場合でも粘土なら全部が全部そうだという訳ではないと思います。また、現場でこねくり回している場合だと、雨水が混入したりする要素も含むので、水を含んでベトベト感は増すが、強度的には弱くなるのではないでしょうか。そういう意味では、手で触ってべたべたする感覚と構造計算で使うCの粘着力はちょっと性格が違う気もします。

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内部摩擦角の数値をみれば分かりますが、礫質土の方が数値が高いです。この場合だと35度です。内部摩擦角が大きいと、それだけ自立する性質が強いということですので、擁壁にかかる力は小さくなります。よって、礫質土を使えば、同じ高さでも擁壁の壁厚などを小さく出来、経済的です。しかし、これは擁壁本体だけの費用の話で、実際の工事では、そういう良質な裏込め土が安く手に入らないと、逆に全体費用は高くなるかもしれませんので、実際にはケース・バイ・ケースです。また、礫質土の場合は透水性がよく、擁壁裏にたまる水を即座に排出して擁壁にかかる水圧を減じてくれるので、この点からも粒度の大きな材質の方が、適しているといえます。文面から察するに、裏込め土に粘性土を使いたいご意向をお持ちの様ですが、その際には、擁壁裏込め土側の水圧や水抜きによる排出について十分ご検討されることをお勧めします。
長くなってすみません。

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