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#338 中央公論の山崎さんの論文について
山崎さんの論文は、一言でいって、机上の空論です。
その論点は、単純にいえば、「既存の高速道路の借金は、赤字国債を発行してチャラにし、新しく造る高速道路は、一般の道路整備の予算の中にメリ込ませる」というだけの話です。そうなれば、確かに、高速道路はタダになりますが、その結果、この国の経済活動や社会活動はどうなるのか、という検証は全く議論されていません。
我が国の物流の90%以上が、自動車交通に依存しており、鉄道や内航海運の分担率は、合わせて一割に満ちません。また、電気や水道などのライフラインも、大部分が道路空間に収容されています。即ち、私たちの日常生活も経済活動も、大部分が道路に依存しています。しかも、その道路の整備水準が、欧米諸国に比べて著しく劣っている我が国では、物流システムの非効率性が経済活動の大きなネックになっていることは、誰しも認めていることです。
同じような過ちを犯しかけた前例は、1980年代のアメリカです。8月21日の本サイトへの私のコメント「社会資本の評価は効率性のみではない」にも述べましたが、その当時のアメリカの地方議会の人達が、「荒廃するアメリカ」というレポートを出して、「これ以上公共投資を遅らせれば、アメリカは再び立ち上がれなくなる」と訴え、その結果、連邦政府も再び社会資本整備に積極的に取り組むようになり、日本を抜き返して立ち直ったのです。
当時のアメリカより、現在の日本の道路整備の水準は、はるかに劣っています。高速道路に関するさまざまな議論も、小説家や評論家の、責任の無い空論ばかりでなく、専門的知見に基づく、実態を踏まえた議論が、進められていくことを切に願っています。