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ご質問を拝見いたしました。私の理解している範囲でお答えいたしますので参考にして下さい。

  まず、どの文献や発注者サイドの設計に関する仕様書を見ていただいても、安全係数を1.45で設計しなさいというような文言は無いと思います。コンクリート標準示方書[施工編]のP44 図-4.2.2を見ていただくと、『ひび割れ指数』と『最大ひび割れ幅』のク゛ラフがあります。ようは、安全係数が『ひび割れ指数』以下であれば、照査に合格ということですから、最初に構造物のひび割れ指数を想定することになります。すなわち、目的とする構造物において、温度解析等を実施し、ひび割れ幅を求めます。そのひび割れ幅で、目的とする構造物が健全状態を保てると判断できれば、次にその発生率(5%,25%,85%)をどのように設定するかで、安全係数が設定されると思います。
 
 浄水場や下水関連は、コンクリート打設後、何層もの防水層を施工しますので、多少のひび割れは許容します。原子力発電所は良く分かりません。また、現在の構造物は耐久性評価型に移行しており、○年もつコンクリートにしなさいというような場合、中性化の進行年数を基本として考え、ひび割れから侵入する大気と水による鉄筋のサビを防止しなければなりません。一般的に0.2?以上のひび割れは補修対象ですが、特に鉄筋の腐食を防止したい場合は、0.1?程度以下のひび割れ(いわゆるヘアークラック程度)にしなければならないと『構造性能照査偏』には書かれています。そのような構造物で鉄筋比が0.65%以下では、グラフから読み取る範囲では、安全係数1.75とか1.45が必要かと思います。
 結論としては、淡水箇所に設置する橋脚や橋台で、河川の増減に伴い、大気と水中に交互に曝されたりするような箇所、海水内に構築するものなどは、補修が困難なので、最初から鉄筋を守るために安全係数を高めに設定するような配慮が必要と考えます。よって、構造物の性能、重要度、供用期間などたくさんの諸条件を考慮して決定する必要があり、具体的な施設名を挙げるのはたいへん難しいところです。

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