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#2609 Re:自然電位
照合電極は、標高測定における仮ベンチマークのようなもので、不動点です。
照合電極を基準に、色々な高さの鉄筋という山の標高を測量するわけです。
照合電極は、ある一定の電位を示すように工夫がされています。
基本となる照合電極は、標準水素照合電極(NHE:Pt/H+,H2)といい、これが標高測定における海面レベルとなります。NHEは非常に安定性がありますが、構造および機能上、実験室内での使用にしか耐えれません。そこで、多少安定性は劣りますが、実用上問題のない各種照合電極が使われています。
例:飽和硫酸銅電極(CSE:Cu/飽和CuSO4水溶液)=+316[mVvsNHE]
飽和カロメル照合電極(SCE:Hg/Hg2Cl2/飽和KCl水溶液)=+242[mVvsNHE]
飽和塩化銀照合電極(SSE:Ag/AgCl/飽和KCl水溶液)=+196[mVvsNHE]
一方、金属はその表面状態や設置環境(pH,溶存酸素濃度,塩化物濃度等々)により、色々な電位を示します。
そうした中でも、CuやHg、Agなどは表面状態と設置環境を一定にするとかなり安定した電位を示すため、上記照合電極として使われます。
しかし、鉄などの金属は少し安定性が悪く、表面状態や設置環境により色々な電位を示してしまいます。そこで、安定した電位を示す照合電極を基準に、色々な電位を示している鉄筋を計測するわけです。コンクリート中でも塩分濃度や鉄筋表面の腐食状態によって、鉄筋は場所場所によって違う電位を示しています。それを安定した照合電極で計測すると、ある程度鉄筋の表面状態や設置環境が類推するのです。
我々電気化学屋は、照合電極を海水や土壌中に漬けたり、挿したりして、鋼材の電位を測り腐食状態を調べたり、種類のわからない金属がアルミなのかステンレスなのか調べたりしています。照合電極は電気化学の世界では大切なベンチマークです。