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#1530、#1540、#1544で回答した者です。ご質問は全て接着系アンカーに関するものと解釈して述べさせて頂きます。

【Q1について】 接着系アンカーではメーカーのカタログに各アンカーの許容引抜き耐力が示されていますので、設計者(もしくは施工者。以下同じ)は荷重条件に適したアンカーを選定することになります。従って設計者はアンカーの埋込長を算出する必要はありません。ただし、設計者としてはメーカーがどのような許容引抜き耐力算定式を用いているのか、またその根拠についても確認しておくことが肝要と思います。当然のことながら、へりあき、群効果を考慮する必要がある場合は、許容引抜き耐力を低減しておくべきです。

【Q2について】 接着系アンカーの許容引抜き耐力の算定式がメーカーにより示されていますので、その式から必要埋込長を逆算することは可能です。しかし通常の接着系アンカーではアンカー埋込長を自由に設計することはできません。

メーカーによってはカプセルタイプ以外に接着剤を注入するタイプがありますので、この場合はアンカーの埋込長をある程度自由に設計できます。ただし、接着系アンカーの引抜き耐力算定式は各メーカーで実施された引抜き試験結果を裏づけとしていますので、引抜き耐力算定式にはアンカー寸法について適用範囲があることを認識しておくべきです。

また、#1544の回答と重複しますが、引抜き耐力はコンクリートのコーン状破壊だけで決まるとは限りませんので、投影面積からのみ埋込長を決めるのではなく、付着力(コンクリートと接着剤の間の付着力、アンカーと接着剤との間の付着力)およびアンカー材の破断強度についても検討し、最小値を採用すべきです。

【Q3について】 上記の通り、一般の接着系アンカーでは必要埋込長の算出は不要ですが、特殊なケースとしてメーカーカタログの標準アンカー寸法とは異なる接着系アンカーを計画する場合は、必要埋込長を算出する必要が生じます。しかし、Q2で述べたように許容引抜き耐力算定式には適用範囲がありますので、引抜き試験等の確認が必要と思われます。個々のケースについてメーカーに相談されるべきと思います。

【Q4について】 先施工アンカーの必要埋込長の算定方法をあと施工アンカーに使うことはできません。理由は#1540で述べたようにコンクリートの破壊形式が異なるためです。

接着系アンカーの詳細についてはメーカーによってアンカーの種類、施工性、適用範囲等が異なりますので、各メーカーに問い合わせて頂きたいと思います。

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