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 中掘工法といっても様々あり、充填土が杭の耐力等に影響するのかよくわかりませんので、その点に対するコメントは控えます。
 掘削土の性状によって、法的な取扱いが異なりますので、その点での注意を説明します。
 まず、掘削土が産業廃棄物の建設汚泥になるかどうかです。リバースのような方法だと掘削土は建設汚泥になります。環境省は地山掘削は土砂としていますが、中堀工法の掘削が地山掘削に当たるかどうかの見解は自治体によって異なります。また、自治体によってはあくまで掘削された時の性状で、建設汚泥かどうかを決めるところもあります。工事を行う所の自治体の環境部局に確認する必要があります。
 土砂とされれば法的には特に規制はないので、くいの強度等に影響がないのであれば充填は可能です。一方、産業廃棄物の建設汚泥となった場合には、「自ら利用」という形で利用することになります。
 環境省の通知によると、「自ら利用」に該当するかどうかは、建設汚泥を処理して得られた処理物を有価物判断要素を総合的に勘案して廃棄物該当性を判断する必要がある、とされています。平成17年7月25日の通知によると、「建設工事から発生した土砂や汚泥を、適正に利用できる品質にした上で、排出事業者が当該工事現場又は当該排出事業者の複数の工事間において再度建設資材として利用することは従来から行われていたところであり、このように排出事業者が生活環境の保全上支障が生じるおそれのない形態で、建設資材として客観的価値が認められる建設汚泥処理物を建設資材として確実に再生利用に供することは、必ずしも他人に有償譲渡できるものでなくとも、自ら利用に該当するものである。」さらに、「また、建設資材として利用する工事に係る計画について、工事の発注者又は施工者から示される設計図書、確認書等により確認するとともに、当該工事が遵守あるいは準拠しようとする、又は遵守あるいは準拠したとされる施工指針や共通仕様書等から、当該建設汚泥処理物の品質、数量等が当該工事の使用に適合したものであり、かつ構造的に安定した工事が実施される、又は実施されたことを確認することも必要である。」としています。
 したがって、中堀工法の掘削土が、産業廃棄物の建設汚泥に該当する場合には、杭の充填に関する土質材料としての品質が何らかの基準に基づいている必要があり、そのことが、仕様書や設計図書等に明確に記述されていること、また施工者はその利用計画書を作成することが必要になります。具体的には、どのような基準等に則って処理土の品質基準を定めたか、その品質にするための改良方法、利用する数量を明確にしておくことが必要です。また、建設汚泥処理土が目的の品質を確保していることを定期的に試験を行い、その試験結果を保存しておくことも必要です。
 また、一部の自治体では、自ら利用であっても「個別指定制度」等の手続きを必用としているところがありますので、必ず当該自治体の環境部局に確認しておくことが必要です。
 処理物の品質が埋戻しの品質に適合しないものを埋戻しに利用した場合には、廃棄物の不法投棄とみなされる可能性もあります。
 発生土が建設汚泥となると少し取扱いが面倒になると思いますが、ぜひトライして下さい。

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