即時沈下と圧密沈下と弾性沈下の関係について

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総合土木設計技術者です。

『設計の基本知識[地盤編]』(鹿島出版会)というテキストを読んでいたら、地盤の沈下の形態には以下のものがあると記載されていました。
①砂質土の即時沈下(土の応力と間隙比の関係)
②粘性土の圧密沈下(⊿e法など)
③地盤の弾性沈下(Steinbrennerの近似式)

『柔構造樋門設計の手引き』等のマニュアルにおいては、残留沈下量=即時沈下量+圧密沈下量で、即時沈下量は弾性理論に基づいて算出するように記載されています。

上記の、③地盤の弾性沈下は①砂質土の即時沈下を含むが、②粘性土の圧密沈下は含まないという理解でよろしいでしょうか。③地盤の弾性沈下は「圧縮変形と非圧縮変形を含んだマクロ的な考え」と書かれており、どの理論値がどの理論値を含む関係であるのか分からなくなってしまいました。

よろしくお願いいたします。

コメント

ユーザー Tomoyuki Nakasuji の写真

1. 1934年のSteinbrennerによる近似変位解
 有限地盤(厚さ;h)上の一様なx軸方向長さ(a[m])、y軸方向長さ(b[m])のp0[kN/m^2]に因る隅角部表面沈下は、近似的に一様地盤に対する同一荷重に因る隅角部沈下と、
その真下(h)に於ける沈下の差と考え、近似的変位の式は、式(1)で表される。
 we=[p0(1-ν^2)b/E]{KD1+(1-2ν)KD2/(1-ν)}=[p0(1-ν^2)b/E]Is・・(1)
 ここに、KD1=(m/π)+ln{[(m+(m^2+1)^(1/2)](1+ns^2)^(1/2)}/[m+(m^2+ns^2+1)^(1/2)]
    tan(2πKD2/ns)=m/[ns(m^2+ns^2+1)^(1/2)
    m=a/b,ns=h/b bは長辺として常にm≼1とする。
    ν:Poisson比[1]|(横歪み)/(縦歪み)|,ln;自然定数e≒2.71828を底とする対数,E:地盤の変形(弾性又はYoung)係数[kN/m^2]E=σ/ε,σ:圧縮応力度[kN/m^2]
    ε:軸方向(縦)圧縮歪み[1],Is:沈下の影響係数[1]樋管のため、方形のIsの表を以下に記す。

        中心 辺の中点 頂点(隅角部)
方形(一辺長をb) 1.12 0.78 0.56

 粘土層の剪断変形に因る瞬(即)時的沈下(Si)は、ν=1/2の時に圧密変形と等価な容(体)積変形が消され、式(2)となる。
証明;直方体に軸方向圧縮力のみが作用する変形前後の体積差が0になるのは、
 (1-ε)(1+νε)^2-1≒(2ν-1)ε=0(εの2次以上の微小項を無視)
の時で、ε>0よりν=1/2□
 Si=3p0・b・Is/(4E)・・(2)
 地盤内応力条件に合わせて圧密した供試体の三軸非排水圧縮試験を行って求めた応力と歪みとの関係からEを知る。
2. 圧密沈下量
 圧密沈下量(Sc)は、式(3)に拠る。
 Sc=μsS0・・(3)
 S0=∫mv・σ1p0 dz(積分区間;0からh)
 μs=∫σ1p0[A+σ3p0(1-A)/σ1p0]dz/∫σ1p0 dz(積分区間;0からh)
 ここに、mv:体積圧縮係数mv=Δε1/Δσ1'[m^2/kN],Δσ1':(鉛直方向)有効応力変化[kN/m^2],Δσ1:(鉛直方向)全(主)応力変化[kN/m^2],Δu:過剰間隙水圧[kN/m^2]
    Δε1:(鉛直方向)歪み変化[1],z:地表面からの鉛直方向深さ[m],A:間隙圧係数 過圧密粘土では0.3~0.7
    σ1p0,σ3p0:等分布荷重に因る鉛直、水平方向応力[kN/m^2]
     Boussinesq応力の積分で見積もり、今回、-a/2≦x≦a/2、-∞≦x≦∞なる帯状等分布荷重として、xz平面についての平面歪み状態を考え、x=0に於けるMichellの
     公式から式(4)の様に導いた。
 σ1p0=(p0/π)[2θ+sin(2θ)・cos 0]=(p0/π)[2θ+sin(2θ)]・・(4)
 σ3p0=(p0/π)[2θ-sin(2θ)・cos 0]=(p0/π)[2θ-sin(2θ)]
 tanθ=a/(2z)
 従って、粘土層の全沈下は式(2)、(3)に拠る、Si+Scで評価できる。
 砂地盤では圧密は無いから、沈下は式(1)のweと考えられる。しかし、E,νは密度に依って大きく変わり、拘束圧に依っても影響される。砂地盤ではEが深さに比例的に増
加する傾向が有り、不均一地盤の性質が顕著で荷重面周縁部と中心部で拘束圧が異なり変形抵抗も大きく変わる。砂地盤の沈下要素は、
(a)深さ及びEに関係し、載荷面積が大きくなるにつれて増す載荷面直下の砂の圧縮に因る物
(b)載荷面周縁部の拘束に影響し載荷面積が小さい程、沈下が大きくな砂の側方へ移動することによる物
に分けられる。
 この様な理由で砂地盤の沈下量を解析的に求める事の合理性は疑わしいが、近年、Finite Element Methodがcomputerの性能向上と共に発達はしており、経験的な提案
公式が信頼され、樋管を想定して、経験式の内、例えばMeyerhofによる式(5)を記し、実測値に比して過大(設計上の安全側)となる傾向が有る。
 Sa=[p0/(0.22N)][2a/(a+0.3)]・・(5)
 ここに、N:標準貫入試験によるN値[回]
参考文献 
1)最上 武雄 編木村 孟(つとむ)執筆箇所:土質力学、pp282,286 2)山口 柏樹:土質力学、pp104,143,145,155-161、1980.11.

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 上記の式(5)を以下でお読み下さい。
 Sa=[p0/(0.22N)][2a/(a+0.3)]^2・・(5)
 式(5)でのp0は重力単位[kgf/cm^2](国際単位系で≒98.1kN/m^2)で入力する。
参考文献
Meyerhof,G.G.:Shallow Foundations,Proc.Am.Soc.Civil Engrs,SM 3

ユーザー dmpjw85912 の写真

ご回答ありがとうございました。
大分理解が進みました。
・Steinbrennerによる近似変位解は砂質土と粘性土(式変形あり)に適用できる。
・Steinbrennerによる近似変位解は圧密沈下量を含まない
・砂質土は解析的に求める事の合理性が疑わしいため、Meyerhofによる式などの経験式もある
・粘性土の圧密沈下はmv法等による