グラウンドアンカーとロックボルトの併用について

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グラウンドアンカーとロックボルトの併用について教授ください。

現在、次ののり面崩壊の対策としてのり枠工+ロックボルト工を計画しています。

①計画箇所は1段目と2段目 ※1段目と2段目の間に1.5m幅の小段設置、3~4段目は安定勾配による切土工のみ
②定着層は、2段目の下半分以下が風化岩、それ以上が砂礫層
③すべり形態は、総合評価から岩盤部1:1.2、砂礫層1:1.4とした連続する直線すべりで想定

以上の条件において、砂礫層への削孔延長が7mを超えることから、経済比較の結果、2段目をグラウンドアンカー工にて計画する案が浮上しました。
そこで、質問なんですが、一つのすべり形態のなかで、抑止方法が異なる工法を併用した場合、なにか問題があるのでしょうか?
併用はしないという意見が周りでは多かったのですが、明確な理由がはっきりしていなく、よくわかりませんでした。

ご教授下さい。

コメント

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・すべり形態について
崩壊事例より、岩すべりは直線すべりで、砂礫は円弧すべりで検討する場合が多いです。

・併用是非について
アンカーは初期緊張を与えて崩壊を抑止します。
一方、鉄筋挿入工は初期緊張を与えないため、土塊がある程度変位した後に抑止力を発揮します。
よって、土塊滑動時の対策工の効果発揮は、以下の流れが想定されます。

①土塊静止時:アンカー初期緊張力のみ
②土塊滑動超初期:アンカー力全体
③土塊滑動、変位中:アンカー力全体+鉄筋挿入(=計画抑止力)

机上ですが、②の段階で、土塊滑動力が必要抑止力に達するという最悪のケースを考えた場合、
→②の段階で土塊滑動力が必要抑止力に達する
→この時点で効果を発揮するのはアンカーだけのため、アンカーだけでは抑止力が不足しアンカーが破断
→よって変位しはじめる③の段階では、効果を発揮するのは鉄筋挿入だけのため、鉄筋挿入も引き抜かれる
→崩壊・・

よって「一つのすべり土塊」の抑止対策としては、上記工法の併用は望ましくないと考えます。
ま、鉄筋挿入が使えるような小規模崩壊の場合には、実際は問題ないんでしょうけど。。。
(大きな土塊をアンカーで抑止した上で、その表層崩壊を鉄筋挿入で抑止するのは、あり)

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大村様

大変わかりやすい回答ありがとうございました。

土塊滑動時の流れを用いて説明すれば、問題となる理由が明確になり併用が困難であることが一目瞭然であることがわかりました。

私も将来、わかりやすい説明ができる人になれるよう頑張りたいと思います。

ありがとうございました。