斜面のコンクリート打設について

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ユーザー 匿名希望 の写真

県職の土木工事担当者です。
山間部のダムに通じる道路沿い斜面について、草木繁茂防止のためにコンクリート張工事をしているのですが、受注業者から傾斜が急でコンクリート張り工ができないと言われました。
傾斜約35~45度、打設高さは全高30mのうち、根元の3m(道路面より3m)程度です。
天端部には平場を1mほど設けます。また、Co厚さは道路土工指針より、最低値の20cmにしています。
業者の方は、打設するコンクリートが下にどんどん垂れていくし、左官が斜面に立てない(だからできない)と言っていますが、感覚的にはしんどいとは思うのですが、スランプの調整や、慎重な打設、簡易的な足場(ハシゴ等)を利用すれば、全くできないということは無いのでは、と思っています。
実際、上記のような条件では施工は無理なのでしょうか。
また、施工する場合、どのようなことに注意するとよいでしょうか。
詳しい方がおられたら、ご助言下さい。よろしくお願いします。

コメント

ユーザー 匿名投稿者 の写真

直高2mを超えた構造物については足場(単管、枠組)と安全装置(安全帯など)が必要です。安全衛生規則だったかな?
で、横方向移動があるでしょうから、簡易的なはしご程度で施工できるかは疑問です(何よりも事故を起こした時の対処がマズイ)
コンクリート張り工法のコンクリートにスランプ規定はないんじゃないかと思います。
フロー試験による管理で、結構な固練りのコンクリだと思いますし、単位セメント量もかなり多かった記憶があります。

例えば、現場打法枠工(フリーフレーム)などは組んだフレームが足場代わりになり、しかも上からコンクリ打設して降りてきます。
このようなことが不可能なので、足場がいると思います。

慎重な打設・・・・これは昔と違うので、どんな業者も皆慎重だと思いますので、言わない方が良いです。
本当に怒っちゃいますからね。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

ケルンさんが仰る通り、業者は営利法人ですから利益を出すことが必須です。
また、発注者は利益の出ないような発注形態をとってはいけません。
そういうことが引き金となって倒産に追い込まれた業者は過去に結構あるわけです。
発注に関しては、複数で審査しているにも関わらず、そのような発注がなされていることは、
確信犯的な要素をはらんでいると思っていますし、不利益に追い込む権利など何処にもありません。
会社を倒産に追い込むということは、発注者自らのパイも失うことを意味しています。
特に地元業者は大切にしなければいけない時代に既に入っています。
だから、発注に関しては慎重にやらないといけないと思っています。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

まず、一般的にですが、防草コンは道路面から斜長で1~1.5m、厚さは5~10cmが多いかと思います。
なので、通常は足場等も不要で普通に施工しています。

今回の場合、経緯は不明ですが施工高さが高いのとコン厚が厚いので足場なしでは厳しいと思います。
単管傾斜足場の歩掛を適用してはどうでしょうか。

スランブ調整でも難しいと言い張るなら、高さ1mずつ打設させる方法もあります。

そもそも任意仮設だから、そっちで考えろって話ですけどね。
自分で施工計画図すら書かないような地元業者には困ったもんです。

ユーザー ケルン の写真

建設業者です。
以前1.5割の河川構造物をしましたが、ワイヤーメッシュ・ラス網を承諾で入れて、ポンプで送れるスランプ12を下回る8cmをホッパーで
打設したのですが、できが悪く、のり面に型枠をつけるべきだった、と社内での結論になりました。

上記の方法では当然その部分は赤字です。私も業者の一員ですので、利益の出ない施工方法には反対です。
発注者にどうしてもこれでないとダメ、となれば評価点を人質に取られていますので
喧嘩にならないよう、損をしてでもそのような方法で実施することになります。

可能であれば以下の対応が業者としてもありがたいと考えます。
1.プレキャスト版やモルタル吹付けの施工に変更する。
2.業者ができる見積を提出してもらい積み上げる
3.型枠+表面仕上げを計上する
などを希望します。

やるとなれば同業者、一般の方に見られる場所になるので、出来栄えの悪い施工はできません。
例)砕石の下に鉄板とアンカーを埋め込んで型枠を立て、下から打つ
例)ワイヤーメッシュやラス網を入れて薄めに打ち、表面にモルタルを塗り仕上げる
例)左官を大量に呼んで「やれ」と投げる
このあたりを「持ち出し覚悟で」やることになります。

私の考える”無理”の意味は「仕様書の基準に収まらない可能性がある」「施工の手間がかかりすぎる」ということになります。
どうしてもやらなければならないのであれば、当然どうにかしてやります。ただ、今回は選択肢があるように思えます。
発注者は利益を出せません。業者は利益を出して、社員に賞与を出し、法人税を納め、地域の経済活動に貢献する義務があります。
話が大げさになってきましたが(笑)発注者と業者が、互いに相手を思いやり、協力して施工できる関係を築けたら最高だと思います。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

質問者です。
皆様、貴重なご回答ありがとうございます。お礼の投稿が遅くなり、すみませんでした。

工法についてもですが、工事発注の本質的な面についてもご教授いただき、勉強になりました。

本件について、結果としては工法変更はできないことになりました。
既に1度、業者さんの工事着手の遅れから変更契約を行っていることと、
その際に当初設計の考え方で「問題なし」という回答をされていたことなどから・・・

問題なしと言っていたのに、何で今頃?という思いもあって質問の投稿をさせてもらった次第です。

ただ、こちら側の施工に対する意識が低かったことに起因する問題であることには変わりないと感じております。
今回の事を教訓として、今後は広い視野を持って施工業者との良い関係を築いていけるよう努力します。