“『脱ダム』宣言”に基づく具体策の混迷が象徴する長野県政

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 田中康夫長野県政象徴の“『脱ダム』宣言”に基づく、最初の具体的事例である浅川・砥川の河川整備計画の見直しが、信じられないほど無責任な内容と基本方針の変更の連続で、混迷の度を深めている。この宣言が発せられたのは3年数カ月前で、その後従来計画の数値目標を堅持し、その80%を河川改修で、20%を流域対策で対応するという、両河川の代替案の枠組みが発表されてからでも、ほぼ2年が経過している。やっと昨年夏に具体案なるものが発表されたが、実質的な裏付けがなくて、国土交通省へ認可申請もできず、最近では、基本方針の大変更を余儀なくされているが、説明の整合性に欠ける無責任なものとなっている。何れにしても、ほぼ2年前に発表した代替案の枠組みは幻で、虚構であったことが明白になっている。代替案があるというから、長野県民は出直し選挙で田中知事を選んだのである。それがなければ話は違う。県民は幻の代替案に惑わされたのである。

コメント

ユーザー okadah の写真

田中康夫長野県知事のいわゆる脱ダム宣言については、長い間果たして学問的根拠に裏打ちされたものなのか、それとも単に世論に迎合するに過ぎないものなのか疑問を感じていた。田中知事のパーソナリティに対する個人的な好悪は別として、この脱ダム宣言については土木技術者として真摯な検討を加える必要がある。政治的に利用される可能性があるからというような理由で避けて通ってはならない問題である。やっと長会員から本問題に正面から取り組んだご意見が投稿されたことは喜ばしい。会員の方のみならず一般の方からもご意見が寄せられることが望ましい。なお、私自身の見解を陳べさせて頂けば長会員のご意見に賛成である。
フェロー会員 岡田 宏