軟弱地盤(水田)での道路盛土で水田が隆起

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軟弱地盤(水田)での道路盛土で水田が隆起しました。(約30cm)
土層は上からシルト層2m、ピート層5m、砂質シルト層(支持層)です。
盛土高さは10mで、現在3mまで盛土しています。
隆起後、施工は中断していますが、これから、どのような処置と対策をとればいいのでしょうか。
良い方法がありましたら、教えてください。よろしくお願いします。

コメント

ユーザー 大村 の写真

?土質調査、変形進捗の把握、原因の推定
?現変状を反映した盛土変形解析→変形スピード、最終変形量の予測
?応急対策(終息しているなら水田地盤の再造成、していないなら現盛土の撤去 等々)
?最終対策の検討(現盛土高での長期間プレロード、各種地盤改良 等々)

が必要と思います。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

圧密沈下を引き起こす前にすべり破壊が起きたようですが,初歩的なミスだと言わざるを得ません。大村さんのコメント(#4599) に賛同しますが,教科書的なことです。事前にそのような検討が全くされていなかったように思われ,そこに最大の問題があると思います。問題を引き起こしてから泣きつかれても,第三者としてはどうしようもありません。

ユーザー nomkei の写真

皆さんの反復になりますが、
通常は、緩速盛土でゆっくり盛土し、数m上がったら放置して圧密するのを待ちます。他にも工事費が高い抑止杭や真空圧密工法、深層混合処理工法などがありますが、工期に制限がある場合に限られると思います。ここで緩速盛土というのは、1日に数cmの施工速度で盛土することです。ちょっとずつ撒き出す訳ではなく、30cm盛土して数日放置の平均速度です。

 軟弱地盤での高盛土は、着手前に圧密計算と円弧すべりの安定解析をおこなって、施工速度と放置期間などを決定します。また、盛土センターと法肩直下に地表面沈下板、法尻にボーリング孔を設置して傾斜計観測をおこなったり、法尻から離れる方向に変位杭と、伸縮計も設置して、急激な変位を早期に観測したり、解析結果の妥当性を検証する資料にします。

 さて、今回は上記対策を行っていませんが、まず現状の圧密解析とすべり解析を行って検証を行わなければならないと思います。また、盛土上及び法尻と民地に変位杭を設置し、高さと水平変位を観測して、観測値から解析の妥当性を確認します。
 今後の盛土計画を圧密解析とすべり解析により、現状の放置期間、今後の盛土速度、最終盛土の放置期間を検討します。沈下が許容できる圧密度までにかなりの時間を要する場合には、余盛りをおこなって、プレロードを行います。最終的には沈下板等の観測値により圧密完了時期や最終沈下量を予測します。

 盛り上がった周辺地盤は、ある程度圧密が治まらないと、すべりを誘発する危険がありますので、安全と判断される時期に、地主さんの了解の上、表面の土を残して下の土だけを搬出するのがよいでしょう。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

コメントありがとうございます。
施工では、着手前に安定解析を行い、この結果を踏まえて、緩速施工を行い、動態観測(地表面沈下、変位杭、地中変位計)を実施し、計測管理をしています。
現場では実際、隆起が発生してしまったので、対策として何をすべきか教えていただきたいと思います。放置して圧密を待つしかないのでしょうか。

ユーザー nomkei の写真

 解析結果と現場の差異がどこにあるのか、解明しておかないと、今後の施工計画を立案することもできないと思います。
 まず、盛土材の単位重量を確認してください。解析条件より重い材料の可能性は無いでしょうか。あとは、敷砂等の排水性は良かったか?解析においては上面からの片面排水となっていると思いますので、敷砂の透水係数についても調査する必要があるでしょう。
 次に盛土上から調査ボーリングを行うことが、必要ではないでしょうか。地盤のサンプリングを行い、土質定数C、φ、圧密係数等の確認、また現在の圧密度の確認、地下水位の確認など。敷砂の排水性が悪いと、盛土内の地下水位も高くなると思います。
 

ユーザー Okunishi Kazuo の写真

対策として何をすべきか,とのご質問ですが,このような人為災害においては被害者の要求に答えることが先決で,施工側の都合だけで対策をおこなうことは法的にも倫理的にも許されないでしょう。水田は少しの隆起でも耕作不能になりますから,被害者は原状回復を急ぐことを求めると思われます。水田の掘削は新たな隆起を引き起こす可能性がありますから,まず盛土を除去して地盤の不安定要因を取り除いてから水田を掘削整形(水田表層土の復元を含む)をおこない,その後盛土工事を最初からやり直すというのが,オーソドックスなやり方でしょう。サーカス的な対策が可能かも知れませんが,それでは被害者の納得を得ることはできないでしょうし,失敗する可能性が高いと推測されます。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

起こった現象を想像したときに、思い出したのが関西新空港の造成時の沈下問題です。関空の場合にも安定計算やどこかのお偉い先生がわかったようなふりをして、起こらないと想定した洪積層の圧密沈下が原因だと言い訳していますが、工事を施工した業者としては、圧密沈下ではなく今回のように、側方に移動またはスベリが発生したのが原因と考えられます。
また、机上で安定計算したからとの言い訳は通用しません。
対策としては、支持層までの表層地盤改良が最良だと思われます。工期も短くてすみますし現状の状態で施工が可能だと思われます。

ユーザー 大村 の写真

教科書的なコメントをしたつもりはありません。
詳細はnomkeiさんが述べてくれていますが、
大きな分かれ道は、以下と思います。

?変状の原因は何か
  (滑り破壊?側方流動?それによりプレロードできない場合の対策も変わる)

?事前検討では安全とされていたのに、変状が発生したのはなぜか?
  (討項目に不足があったか、土質定数に誤りがあったか。)

?プレロードが可能か?
  (教科書では最大盛土高+2.0m程度。
   それがもたらす最終変形を近隣構造物が許容できるか、
   工程上許容できるか。(施工中の計測値が役に立つはず。)
    →プレロードによる対応が不可なら、現地盤の深層混合等。)

ユーザー 匿名投稿者 の写真

3m盛った状態で変状が止まったとしても、
その後盛土を進めると、変状が再進捗する可能性は
十分ありますので、注意してください。