擁壁 置換基礎下面の支持力算定

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補強土壁の設計で、壁面直下の地盤反力度が原地盤の極限支持力度以上となったため、置換基礎としました。
置換深さは、
「分散を考慮した地盤反力度≦置換下面での極限支持力」
となるように決定しました。
置換基礎下面での極限支持力度は、道路橋示方書の支持力公式を用いました。
しかし、置換基礎厚の算定は、
「分散を考慮した地盤反力度≦基礎コンクリート直下の極限支持力度」
とすべきとの意見や
「軟弱地盤における置換基礎下面での支持力算出に際して、道路橋示方書の支持力公式を用いることは適切ではない」
との意見があり、悩んでいます。
アドバイスをお願いします。
言葉が足りない点も多々あるかと思いますが、よろしくお願い致します。

コメント

ユーザー 大村 の写真

■支持力公式の適用について
下部構造編p269にも、「基礎底面地盤の許容鉛直支持力」として示されており、
特に制限は示されていないので、軟弱地盤でも、定数の設定が妥当であれば、
問題はないと思います。

■>「分散を考慮した地盤反力度≦基礎コンクリート直下の極限支持力度」
趣旨が理解できませんでした(^^; できれば補足願います。

■その他気になったこと
・補強土壁の一部工法は、計算上偏心は発生させていないことになっています。
 その場合、支持力公式で偏心の設定はどうされましたか?
・補強土壁の一部工法は、支持の安全率が、道路土工擁壁工指針の値と異なります。
 支持力公式での照査の際は、どちらの値を採用されていますか?

ユーザー 匿名投稿者 の写真

コメントありがとうございます。

■「分散を考慮した地盤反力度≦基礎コンクリート直下の極限支持力度」
について補足します。
 これについては、「補強土壁基礎のようにフーチング幅よりも根入れ深さの方が大きくなるような状況において、支持力公式の適用は妥当でないとの考え方」から「置換基礎下面までの根入れ効果を考慮せず、置換基礎厚を算定する」ということです。
 地盤の極限支持力度は、置換基礎厚に関係なく、基礎コンクリート直下で算出した値であり、分散幅を考慮した地盤反力度が、この値以下となるように置換基礎厚を決めるべきではないか」という考え方です。
 当然ですが、この方法で計算した場合、置換基礎厚は若干厚くなります。

■補強土壁の支持力照査においては、偏心を考慮しないで計算をしています。
 → 支持力係数の算出は、tanθ=0としています。
また、安全率はテールアルメ壁工法のマニュアルに準じ、常時:2.0としています。

よろしくお願いします。

ユーザー 大村 の写真

■補足の件、内容理解しました。ありがとうございます。
ただし、そもそも「フーチング幅よりも根入れ深さの方が大きくなるような状況」で、
支持地盤の破壊がありうるでしょうか?
破壊の可能性があるならそれは滑り破壊で、その場合「支持照査」ではなく軟弱地盤としての
「すべり破壊の照査」で安全性を担保すべきではないでしょうか。

道路土工擁壁工指針をみても、補強土擁壁は柔構造で、コンクリート擁壁とは章立てを
分けて記述されており、p141では「安定性を照査すればよく、コンクリート擁壁における
支持地盤の支持力の検討を省くことができる」(壁高が高く変形が著しい場合等は除く)
とされています。

よって軟弱地盤でない補強土壁工については、支持力を照査したとしても、そこまで安全側に
設定するのは非合理的と考えます。(せめて許される限り危険側(?)の値を採用)

■その他、賛成です。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

早速のコメントありがとうございます。
>そもそも「フーチング幅よりも根入れ深さの方が大きくなるような状況」で、
>支持地盤の破壊がありうるでしょうか?
→ 支持力公式の適用条件として、下記項目について記載されている文献等はあるのでしょうか?
  ・基礎形状
  ・根入れ深さ

>軟弱地盤でない補強土壁工については、支持力を照査したとしても、そこまで安全側
>に設定するのは非合理的と考えます。(せめて許される限り危険側(?)の値を採用)
→ 賛成です。

ちなみに、今までの説明では分かりにくいところもあるかと思いますので、今回議論となっている状況を説明します。
・外的安定検討として、転倒・滑動・支持力照査の他に、
 円弧すべりによる検討を実施しています。
・補強土壁の基礎地盤は、液状化対策として、
 サンドコンパクションパイル工を計画しています。(目標N値=19)
・支持力照査および円弧すべりに用いた地盤定数は、C=0,φ=30度,γ=21kN/m3です。
  → SCP改良後のN値から設定しています。
・沈下量は、壁面直下で最大15cmです。(圧密沈下量は5cm程度)
・補強土壁の壁高は、12m程度です。(両面壁)
・計算上の根入れ深さ(基礎コン上面まで)は、0.5〜0.8mです。
・補強土壁の支持力照査結果より、補強盛土部は置換えの必要無し。
 壁面直下は置換えが必要。
  ↑ この置換え厚さを決める計算方法が議論となっています。

 今まで同様の検討を何度もしてきましたが、「置換え基礎下面で支持力公式を使うのは妥当ではない」と指摘されたのは初めてです。
 最終的には、「現地で平板載荷試験を実施し、地盤の支持力を確認してください。」
ということになるのかもしれません。
 しかし、今は設計での考え方を問われているので、何とか論破できないかと悩んでいます。

ユーザー 大村 の写真

■形状、深さの適用条件は残念ながら知りません。

■壁面材基礎に対してのみ置き換えようとしているんですね。
それは確かに見た目つっこまれそうな・・・(^^;
私なら、置き換えがいらない方向で整理するかも・・・

?支持が実はOKなことを示す。
 ・支持力公式のC,φ設定時に、支持地盤の強度増加は見込まれましたか?(確か20%?)
  (SCP改良後ということで見込んでますよね。なら無視してください。)

?沈下しても問題ない範囲であることを示す。
 ・「補強土壁の沈下発生事例は多いが、使用性には全く問題ない場合が多い。
   補強土壁の壁面材や使用目的にも影響するが、補強土壁自体は30cm程度
   沈下しても問題にならない場合が多い」(「補強土壁工法FAQ50」p40 理工図書) 
 ・前述の道路土工擁壁工指針を示した上で、「円弧すべり検討により安定性は照査済み、
  また壁高は高いが変形は15cm程度で、上記文献と比較しても補強土壁の変形は著し  くない」ことから、支持力検討は省くことができるとされている。
  照査もしてみたが安全率1.0は切っていないこと、また上記沈下量15cmは
  最大地盤反力が発生する前、つまり施工中に多くは沈下してしまうと考えられる
  ことなどから総合的に判断し、問題ないと判断する。
 

ユーザー 匿名投稿者 の写真

いろいろとアドバイスありがとうございます。

>?沈下しても問題ない範囲であることを示す。
 → 変形角の照査をしており、補強土壁への影響が無いことは検証済みです。

 また、過年度設計成果で支持力照査を行っており、現時点で検討を省略するという考えを示すのは少々困難な状況です。

 置換基礎下面での照査に支持力公式を使うことが妥当でないとの考えを論破することが出来ないのであれば、悔しいですが、置換基礎が不要になるように基礎形状を変更しようと考えています。
 この案件は、現在施工中であり、材料も手配済みのようなので、大きな変更が出来ません。
 
 当初設計の時点で「擁壁工指針」の内容を熟知し、支持力照査の省略等を議論しておけば、ここまで問題になることは無かったのではないかと思い、反省しています。
 

ユーザー 匿名投稿者 の写真

道路橋示方書?の支持力公式は、基礎構造が剛体とした場合です
ランキン、プラントル、テルツアギ、スケプトン、等を参照されたい

ユーザー 匿名投稿者 の写真

コメントありがとうございます。

>道路橋示方書?の支持力公式は、基礎構造が剛体とした場合です。
 → 置換基礎のように剛体でない場合は、支持力公式を適用できないということですよね。

 地盤改良マニュアル(P.173)では、改良体下面において支持力公式を用いて算出しています。置換えではなくセメント改良ならば適用できるということでしょうか。

よろしくお願い致します。