打重時間間隔と道路土工指針

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ユーザー SUG00245 の写真

先日、役所から次のような内容のことで問い合わせがありました。
 道路土工指針 カルバート工指針 平成11年3月版 P172 に記載されている内容で「側壁コンクリート打設後2時間以上経過してから隅角部および頂版のコンクリートを打設するようにし、沈下ひび割れを防止しなければならない。」
 この記述内容と施工編に記載されている打重時間間隔の2時間以内(25℃以上)のどちらが正なのか?というものです。
  構造物の構築という意味からは、打重時間間隔が優先と思いますが、ではど
のくらい沈下防止のために固まるのを待ったらよいのか?という疑問があります。
  役所への返答のため、解答が必要となっております。どのように解釈し、返答をしたらよいのでしょうか。

コメント

ユーザー 秋元 泰輔 の写真

 カルバート工指針に示されている「沈下ひび割れの防止」については、「コンクリート標準示方書[施工偏]」の10.3.5沈下ひび割れに対する処置の(1)の規定によるものです。
 解説に示されていますように、コンクリートの沈下が落ち着く時間は、一般に1〜2時間程度です。
 構造物の規模にもよりますが、一般的には、側壁コンクリートを打設した後、2時間以上十分時間が経過してから、同示方書の10.5.2に規定されている打ち継目の処置を行って、隅角部及び頂版のコンクリートを打設するのが良いです。

 一方、打重ね時間間隔については、同示方書の10.3.3打込みの(6)の規定に示されており、解説に示されていますように、2層以上にコンクリートを打込む場合、各層互間が一体となるように打重ね時間間隔以内にコンクリートを打込む必要があります。
 外気温が25℃を超える場合で、構造物の規模も比較的小さく、側壁コンクリート打設に引き続き隅角部及び頂版のコンクリートを打設しなければならない場合には、側壁コンクリート打設後にコンクリートの沈下が落ち着く時間を1時間以上なるべく長くとって沈下ひび割れを防ぎ、2時間以内に隅角部及び頂版のコンクリートを打設し、打ち継目部を十分締め固めて一体化させる必要があります。