流下能力不足水路の暫定部分改修における工夫について

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よく氾濫する水路(深さ1m程度、幅1m程度のU断面)が500m程度あり、中規模河川に流れ込んでおります。付近には住宅が密集していて用地的な制約が大きいところです。
この水路の途中約100mの区間で、この水路沿いの道路を拡幅するために、水路を暗渠化して水路の上を道路に利用する水路改修計画があります。
500mの区間について、断面と勾配を測量し、10数断面で流下能力のチェックを行いましたが、ほとんどの箇所で流下能力が不足していることがわかりました。
今回工事を予定している100mの区間について、水路底の高さを変えない場合の必要流下断面(水路幅)を検討したところ、2倍の幅2mにする必要があることが判明しました。
今回の道路拡幅工事の際にさわる100mの区間だけでも、将来必要となる水路幅2mに広げておきたいのですが、これをすると河川断面が大(2m)から小(1m)に変化する箇所で流速が急激に落ちて水位が上昇し、そこで氾濫しやすくなる、つまり、氾濫する場所が変わる可能性がある、ということが気になります。
そこで、次の2つの方法を考えたのですが、いずれも一長一短あり、現況断面と同等の流下断面にとどめておく方がよいのかもしれないと考えています。

コメント

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1)よく氾濫する水路(500m)
2)水路断面1m*1m程度
3)住宅密集地域であり土地利用制約がある
4)水路断面は流下能力不足
このような,水路の一部(100m)を道路改良に伴い,暗渠化する.
必要断面は,2m*1m程度

1)について
現在氾濫はどこで,どのような原因で発生しているか?
 今回の計画で氾濫を危惧しているが,氾濫する位置が変わると
 どのような影響が生じるか?
2)3)について
水路に対しての改修計画はあるか?
 今回の計画では,拡幅を想定しているが改修計画と合致するか?
 改修計画がない場合には,土地利用計画等から実現可能か?
4)について
流入量を抑制することは可能か?
分水路案の可能性は?
氾濫を許容できる箇所はあるか?
また,下流河川の断面は十分か?

今回道路改良箇所のみで,改良で考えいているようですが,
水路全体や集水域ともう少し広範囲で検討したほうが,よいのではないでしょうか?

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rinさん、ご助言ありがとうございます。
補足します。

?氾濫の原因について
前日の通り、流下能力が不足しているためです。
周辺に住まわれている方から聞いた話では、今回拡幅工事を予定しているところより下流側でよく氾濫しているらしいです。

?氾濫する位置が変わることの影響
氾濫する場所が変わると、拡幅工事により改悪となる方が発生するという問題が生じます。
仮にこれまでの氾濫が「60mm/hを超えるとA地点で氾濫する」として、今回工事をして「70mm/hまではどこも氾濫しなくなったが、70mm/hを超えるとB地点で氾濫するようになった」ということになった場合、B地点付近の方にとっては、やはり改悪ということになるということを危惧しております。

?改修計画の存在
改修計画はありません。今まさに改修計画を立てようとしているところです。

?土地利用計画等から実現可能か
可能です。

?流入量の抑制は可能か
かなり困難です。

?分水路案は可能か
検討していますが、解決すべき課題がいくつかあり、早期に解決できない問題も含まれています。

?氾濫を許容できるところは存在するか
密集した住宅地ですので、存在しません。

?下流河川の断面は十分か
数年前までは、下流側河川(そのものもよく氾濫していました。
最近改修され、下流側河川での氾濫はなくなりました。余裕はあまりないと思います。
ちなみに、当該水路の氾濫は下流側河川の改修前から時々発生していました。

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>?氾濫する位置が変わることの影響
>氾濫する場所が変わると、拡幅工事により改悪となる方が発生するという問題が生じます。
>仮にこれまでの氾濫が「60mm/hを超えるとA地点で氾濫する」として、今回工事をして
>「70mm/hまではどこも氾濫しなくなったが、70mm/hを超えるとB地点で氾濫するようになっ
>た」ということになった場合、B地点付近の方にとっては、やはり改悪ということになるとい
>うことを危惧しております。

500mのうち100mの区間を改修したことにより,500m全体の流下能力が増えるのでしょうか?
越流が今回改修区間の下流側で発生しているのならば,そのこと自体は変わらないと思うのですが...
水路(500m)区間全体の改修が終わった後に,仮に想定していた流量よりも多い流量が発生した場合,改修前の越流地点(A)と違う地点(B)が越流することは,水路改良計画の問題であり改良計画時点で計画流量も含め良く検討する必要があると思います.

また,暫定案としての今回改修区間から現況水路への接合部で,越流を心配しているようですが,これについては急激な断面変化(水面変化)が生じないような「すりつけ区間」を設けることにより緩和できるような気がします.

?の下流河川の断面については,
河川と水路の流量比等にもよると思うが,
これまで水路が越流していたことにより,下流河川では洪水流のピークが緩和されていた.
それが水路改修により下流河川でのピークが増大しないだろうかが心配でした.

以上,ハズしていたらすみません.

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基本的な水理計算をしてみて下さい。
(1)流量、水路の断面形状、水路床勾配、粗度係数、エネルギ−係数をまず確認します。
(2)等流水深、限界水深、フル−ド数を水路全長にわたり計算します。
(3)支配断面を考慮しながら、水路全長にわたり限界水深線、等流水深線を記入して、水面形状を描きます。
(4)上記までの作業で、どこの箇所で越流などが発生するか推定できます。
(5)水路断面の形状を改善して、上記の不等流計算(水面形計算)を再度して下さい。
(6)水路に曲線部分が多い場合は、遠心力による水流の飛出しなどに注意して下さい。
(7)跳水現象が発生する可能性が有りますので、上記の水面形計算で十分検討し、比力計算を水路全長にわたりして下さい。
(8)以上の作業が終わったら、水路床、動水勾配線、エネルギ線を書き入れて再確認をして下さい。
(9)これらの基礎的な作業では解明できない場合は模型実験が必要になります。

ユーザー 匿名投稿者 の写真

皆さん、ご教授いただきありがとうございます。
補足のつもりで書いたものが表現が悪くてかえって分かりにくくしてしまいました。
今回検討しているものについて言えば、同じ程度の降雨で氾濫する場所が変わる可能性があると考えています。(60mm/h、70mm/hと変えた例を挙げたのは失敗でした)

>急激な断面変化(水面変化)が生じないような「すりつけ区間」を設けることにより緩和できるような気がします.

そうですね。そういう配慮としてどのような方法がよいのかをご相談したいと思って投稿しました。
rinさんがご提示してくれたのは、「断面積」の急変をコントロールする案ですよね。
すりつけ構造の詳細にもよるのでしょうが、暗渠になるので、すりつけ構造をあとで等断面に戻すことは基本的に難しい(手間がかかる)だろうと考えました。
最初の投稿で「障害物(撤去が容易なもの)」と書いたのは、将来、下流側を改修する時に手戻りが少ないようにと考えたためです。
ですので、「流速」をコントロールする、粗度係数を上げる案を考えてみたのですが。。。
皆さんの反応を見ていると、この案はもう1つのような気がしてきました。