施工パッケージって何ですか?

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施工パッケージと土木標準歩掛と違いとはなんですか?

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 予定価格を定める際の積算方式です。
 土木標準歩掛は、現場で、人工、材料、機械損料が1日当たり又は時間にどれだけ稼働したか“積み上げ”で価格を算出します。
 施工パッケージ方式は、全国調査のデータベースを活用して、人工、材料、機械損料の比率を求めて価格を算出しています。
 上記は、ざっくりの説明なので下記アドレスにある国交省のスライドを参考としてみてください。
http://www.nilim.go.jp/lab/pbg/theme/theme2/sekop/sekopsetsumeiR1.pdf

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◆土木標準歩掛とは、日本で従前(昭和40年代頃?)から使われてきた積算方法で、

例えば
【バックホウ床掘 10 m3当たり】
 普通作業員 0.3 人×単価¥21,500 = ¥6,450
 バックホウ 0.285日×単価¥40,198 = ¥11,456
 10 m3当たり 計 ¥17,906
 1 m3当たり 計 ¥1,709

 【バックホウ1日当たり】(二次代価表)
   運転手(特殊)1 人×単価¥24,200 = ¥24,200
   軽油 38 L×単価¥95 = ¥3,610
   バックホウ 1.52供用日×¥8,150 = ¥12,388
   1日当たり 計 ¥40,198
のように、
例えば地面を 10 m3掘るのに、どれだけの機械・人工・材料がかかるか…
を調査して、施工単価を決める方法です。

◆施工パッケージ単価は、平成24年から導入された、比較的新しい積算方法で
例えば
 バックホウ床掘(小規模) 1 m3当たり

 「¥1,965.2」

のように、ずばり単価が国交省で決められています。

ただし、この単価は、
「東京17区の平成31年4月時点の昼間の標準単価」
と指定されています。

現在の令和2年6月だと、当然単価も変わりますし、
都道府県が変わったり、昼夜が変わったりすれば、施工単価も変わります。
そういう時どうするか?

そういう時は、標準単価内の、
構成される機械・労務・材料の単価変動によって補正します。

施工パッケージ単価表には、この標準単価の他、
単価の中に占められている機械・労務・材料の種類と、
それぞれの比率が書かれています。

バックホウ床掘(小規模)でしたら
 ・バックホウ 22.42%
 ・運転手(特殊) 37.92%
 ・普通作業員 32.21%
 ・軽油 7.45%
 合計 100%

ここで、例えば令和2年6月の積算の場合、
運転手(特殊)は、H31.4 ¥23,800 → R2.6 ¥24,200 と金額がアップしています。
値上がり率は、24,200/23,800 = 101.68… % です。

このとき、全体に占める 運転手(特殊)の割合は 37.92% ですから
全体の 37.92 % を、101.68… % だけ補正でアップさせます。
37.92%×101.68% → 38.55% に金額がアップすることになります。

同様に、他の機械、労務、材料も補正していきます。

計算結果を書きますと、
積算地区補正単価 = 1965.2 * {
  (22.42/100 * 8920/8970) * 22.42/ 22.42
 + (37.92/100 * 24200/23800 + 32.21/100 * 21500/21100) * 70.13/ ( 37.92 + 32.21 )
 + (7.45/100 * 95/117) * 7.45/ 7.45
 + (100 - 22.42 - 70.13 - 7.45)/100
} = 1959.73871328642 = 1959(円/m3)

となります。

非常にややこしい計算になりますので、
基本、電算(コンピューター)使用を前提とした積算方法といえます。

◆施工パッケージ導入時(平成24年10月)では
 国交省にまだ施工パッケージ単価のデータベースが(当然ながら)ありませんでしたので
 従前の土木標準歩掛をもとに、施工パッケージ単価を設定しました。
 なので、導入当初は、施工パッケージ単価と土木標準歩掛単価は同じ金額になりました。

 しかし、国交省は入札結果等をデータベース化、分析して、施工パッケージ単価を毎年修正していますので
 現在ではかなり乖離が発生しています。
 (同じ機械・労務・材料単価で積算しても、従前の土木標準歩掛より、施工パッケージのほうが高くなる傾向にあります)