二重締切について

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現在、橋梁下部工の設計をおこなっています。
仮設工の考え方について教えてください。

昨年度、河川管理者と河川協議を行った際には、河川構造物だから二重締切(外側の締切は護岸部に設置)でという条件を出されていました。
しかし、今年度協議先の担当が代わり、外側の締切を護岸部の途中に設置するのであれば、
護岸の天端付近に設置した内側の締切(H.W.L.より1.0m高い)で越水の可能性は充分に低いし、
むしろこのまま二重締切で施工をするとなると護岸途中の矢板打設部から水が流入する可能性もあるので構造上好ましくないとして、
内側の締切だけで十分ではないかと言われています。

本来であれば、そもそも二重締切の外側の締切を護岸の途中に設定すること自体が間違いであることは重々承知はしているのですが、
河川管理者から現況河川の構造がわかる書類がないと言われ、当初は復旧方法の不明確な護岸基礎を傷つけずに施工をという考えでいました。

「仮締切堤設置基準(案)」には堤防開削は出水時は二重締切を原則とする旨の記載があるので、
これを覆して、河川管理者が許可してくれるからという理由では弱いのかなと思っています。

ただ、二重締切で施工しなくてよいとなると、
矢板が減る、護岸の復旧面積が減る、護岸の基礎を気にしなくてよい、矢板の間の埋戻し手間がなくなるなどメリットが大きいです。
今回のケースで二重締切にしなくてもよさそうだと思える根拠があればお教え願いたいです。

コメント

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>河川管理者が許可してくれるからという理由では弱いのかな

 総合的に検案して回答されているのですから、十分な理由と考えてよいと思います。

 それでもなお、危険性があるとお考えなら当初案で施工する以外に変更理由がありません。

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「堤防開削は出水時は二重締切を原則とする」・・・・これに該当するのであればやることを前提にモノを考える。
元々、二重締め切りが必要だから記載されている文面です。シングルよりダブルの方が強く、安全です。
WLの段階的低減にも役立っています。

矢板が減る、復旧面積が減るなどのメリットはシングルでも大丈夫という希望的観測からくる経済メリットです。
シングルにしたことによって労災死亡者が出た場合、その責任は誰が取れる、補償したからいいでしょとはならないということです。
安全を差し置いての工費節減はやってはいけないと思います。
社会のゴミに近い人間であったとしても、その命は尊いと感じます。

相手の意見に流されない技術者としての矜持は必要です。

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>シングルよりダブルの方が強く、安全です。

 おやおや、技術屋さんとは思えないご意見。先日あってハイテンボルトのように強くしようとして欠点を抱えることもあるのです。
ましてや管理担当者が「むしろこのまま二重締切で施工をするとなると護岸途中の矢板打設部から水が流入する可能性もあるので構造上好ましくないとして、内側の締切だけで十分ではないかと言われています。」と、総合的に検案されての付帯意見な訳です。
 安全・安全と強調されていますが、屋下に屋を架すのは当人の自己満足に過ぎません。それに加え労災事故はシングルに比べダブルの方が工事量が増えますので間違いなく確率的に危険度は上がります。シングルにしたことにより危険度が上がる項目は労災でなく(越水または堤防決壊による公衆)災害で一般的に労災とは呼称しません。
 要点は、常識的で一般的な当初担当者の指導に従うか、現担当者の指摘された危険度(矢板打設部から水が流入する可能性)を重視するかの選択です。
 工期も予算も無視して、現実も現場の施工も無視して机上のお話にこだわるなら、矢板打設部から水が流入する可能性を排除した二重締め切り案を再設計するのも、安全面だけを考えればありかと思います。

 それと・・・社会のゴミに近い人間・・・って、労災ってことは現場で働く人を「PEN」さんはそう断言されているってことですね。

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どの業界にも社会のゴミの類はいるということです。但し、そのゴミにも尊厳はあるということです。
根本的に二重締め切りを基本としているのには理由があります。
その理由と現地状況、安全性も含め総合的に判断し、妥当と思える計画をすることが必要です。

ダブルを基本としていることが前提にある中で、工事量が増えるから労災事故が増えるというのは既に論点がずれています。
いずれにしても、技術者として適正な判断をなされると良いと思います。
少なくともすべてを把握していない者の完全ではないアドバイスを否定できるだけの意見を持っているなら、人に聞くまでもなく大方の計画は立っているのではないかと感じます。

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>ダブルを基本としていることが前提にある中で、

 「堤防開削は出水時は二重締切を原則とする」・・・日本語も理解できないなら、議論に口など挟むべきでないと思うのですが・・・原則はあくまで原則で、基本的、概ね、主として考えていくみちすじであって、必ずしも外れる(逸脱する)ことを拘束しません。前提は必然であって、前提を否定することは議論そのものが成立しません。
 各基準類で原則と記載されている場合、合理的理由がある場合には原則以外の方法を選択することが通常なことは多くの技術者が認めることです。前提として必ず従う必要がある場合にはその旨別の記述が使われます。ここで、河川管理担当者の指摘は付帯意見として現仮説計画に対する指摘事項になるのです。

 故に、質問者が選択する可能な考え方は、過去の経緯に沿って現担当者の指摘を無視して現計画のまま進めるか、現担当者の指摘をそのまま受け入れて内側(一重)締切にするか、現担当者の指摘を勘案して(そもそも二重締切の外側の締切を護岸の途中に設定すること自体が間違いであることは重々承知はしているので)設計変更するかの三択になるのが論理的なわけです。依って「河川管理者が許可してくれるからという理由が、総合的に検案して回答されているのですから、十分な理由になるわけです」

 >「どの業界にも社会のゴミの類はいるということです。」・・・労災死亡者が出た場合・・・社会のゴミに近い人間であったとしても
 死亡するのが限定されているのですよね・・・それに労災でないとの指摘は無視ですか、やはり日本語を理解できないお国のご出身のようですね。
 >工事量が増えるから労災事故が増えるというのは既に論点がずれています。・・・それに単純な算数の問題もご理解いただけないようですね。工事量が増えれば工事量に比例して労災の発生量が増える確率は当然のお話です。ましてやその工事が不要不急の工事となれば、人的にも金銭的にも資源の浪費と考えるのがまっとうな技術者なのです。

 現場で働く人を「社会のゴミの類」と平然と吐き捨てられる方ですから・・・・

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お二方の意見ありがとうございます。
やはり、技術者個人によって意見が割れるような話であることを改めて認識することができました。

たしかに今回は論点にも挙がったように安全性の考慮にかけていたように思います。
二重締切を一重締切にした際の
・越水の可能性の詳細な確認
・締切変更時の矢板への土圧のかかり方等
を検討したうえで、これらに問題があるようであれば二重締切、なければ一重締切というように
あらためてどちらがよいか考えてみようと思います。

基準や原則を前提とする考え方、現場条件等から例外も検討する考え方
明確な回答こそ得られませんでしたが、相反する技術者としてのジレンマにどう対応するべきかというよい機会になりそうです。
ありがとうございました。

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遅まきながらですが、二重にしなくて良い理由について
設置基準は堤防を開削する場合は二重締切が原則。今回は現況堤防を開削等して天端高の低下等治水機能が低くなる状況、仮締切を堤防代わりに使わなければいけない状況なのでしょうか。
もしそうでないならば、二重締切にしなければならないという訳ではない。締切工及び河川堤防の安全性を勘案してより良い構造を選べば良いと思います。
原堤防の天端高などが低くなる場合、堤防治水機能が低下する場合は、二重締切。原則とは重大な問題、特別に不合理なこと、困難なことが無い限り、そうする必要があるというのが一般的な理解。
鋼矢板の施工で堤防の浸透性(遮水性)、安定性が損なわれる懸念については十分に留意する必要があります。
また、二重締切での半川締切においても上流側の水衝作用に考慮した擦りつけ形状にすることなど、留意すべきことが示されています。
こうした検討を十分に行っていただきたい。
河川内の一重締切については、過去に水没、崩壊、大きな変形等の変状が生じた事例もあります。
特に一重の自立式は条件変動で不安定になりやすいので注意が必要。止水性と地盤の安定には十分な配慮が必要です。
切梁方式も含めて設計段階から情報化施工や動態管理等の方法についても配慮しておくことが望ましいと思います。
一重が弱くて、二重が強いかというと、ギリギリの設計をした場合必ずしもそうとは言えない場合もありますが、一般的には二重の方が想定外の状況に至った時の余裕とか脆性的な崩壊に対する強さがあると思います。

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ご回答ありがとうございます。
天端高の低下はありません。
もともとの護岸天端高さがH.W.L.よりも2.0m以上高く、内側の締切はその堤防の川側天端付近にそれより少し高い高さでの矢板を入れる予定であったため、
内側の矢板が河川断面内に一切入らないのに、外側に3.0m離れた護岸の途中に河川ににわざわざ矢板を入れる二重締切を
原則だからという理由でしなければならないか否かということでした。
内側の土留めについてはH.W.L.との高低差からも河川からの越水の可能性は低いと思われ、土留めとしての機能の方が圧倒的です。

今の状態のまま、ただ二重から一重にするのではなく、再度一重にした場合の安定計算をしたうえで再度検討しようと思います。
「締切工及び河川堤防の安全性を勘案してより良い構造を選べば良いと思います。」という言葉に後押しされた気がします。
ありがとうございました。