地震時の円弧すべりについて

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地震時の円弧すべり計算についてどなたか教えていただければ幸いです。

Δu法とKh法がありますが、Δu法では過剰間隙水圧による液状化した層のせん断強度の低下を考慮しますが、地震時慣性力を考慮していないようです。
その理由がわからないでいます。
ΔuとKhの両方を考慮して照査するべきじゃないかなと思っています。
また、間隙水圧は土粒子の重量に影響していますが、振動で液状化している状況ではせん断抵抗角も小さくなっているかと思います。
その評価も式に影響していないことも理由がわからないでいます。

よろしくお願いします。

コメント

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地震動は過渡(非定常)現象ですが,Δu法もKh法も定常現象の理論を基にした評価法です。そのため,使いこなしが極めて重要です。Δu法では,地震動が終わった後を解析対象とし,Δuの最大値がまだ残っており,時間と共に減衰しないと仮定しています。Kh法では地震力が水平方向にしか働かないという仮定の他に,想定加速度(最大加速度ではない)が十分長く持続すると仮定しているので,斜面に働く力は実際とはかなり異なります。東北地方太平洋沖地震のように地震動が長く続く場合は,ご指摘のように地震動も過剰間隙水圧も同時に働くはずです。したがってΔuとKhの両方を考慮することが必要です。ただし,考慮の仕方は決して単純ではないことも理解して頂けたと思います。例えば兵庫県南部地震による構造部材の破断に関してはKh法において最大加速度を採用し,慣性力の働く方向を考慮するし,緩傾斜の土構造物に対しては,ピーク地震動よりも累積効果としてのΔuを重視するなど,です。

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素人な質問にも関わらず、大変真摯なご回答いただき恐れ入ります。

Δu法が地震後の解析かなとは、質問を記載した後に考えていました。
となると、Δu法とKh法はセットで両方の照査が必要になると考えていました。
式のΔuとWにKhを乗じればいいのかと言えば、そんなに単純な話ではないのかなあ、など。

Khの定め方の根拠を知らないのですが、最大加速度の係数ではないのですね。
これは道路橋示方書も河川構造物の耐震性能照査指針もそうなのでしょうか。
エネルギーに対しての係数なら納得いくのですが、力に対してとなるとなんかしっくりこないです(十分長く持続という辺りも)。
保耐法に使うのはしっくりきます。

始まりは東日本大震災後の緩傾斜の土構造物計画に対して、Δuで照査するように、Kh法は使わないという文書を見つけて、
はて?と思っていたところでした。
Kh法はどういう時に使えるのだろう、Δuと両方使うべきでないかと。

Khは過大気味になるのでしょうか?