コンクリートの圧縮強度

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コンクリートはなぜ大きな圧縮力に対して抵抗できるのでしょうか。
破壊現象を見ると,ひび割れを伴った試験体中の複数要素の分裂に見えます。
ちょうど大陸移動説にあるもともとひとつのパンゲアが現在の大陸に移動したような感じです。
コンクリートの局所的な要素は,圧縮に対しては破壊せず,この要素間で,引張やせん断による破壊を繰り返して最終的な破壊に至っているようにも思えます。
コンクリート中の応力状態が,なかなか引張やせん断による破壊状態に至らないからコンクリートは圧縮力に対して強いのでしょうか。

コメント

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 拙著「構造工学落穂拾い」の「1.2 コンクリートの破壊」をご覧ください。書店になければ、cho@avis.ne.jp宛てにメールをください。

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早速のご回答有難う御座いました。ご紹介頂いた書籍拝見させて頂きました。コンクリートは圧縮応力下でせん断破壊を呈していることがわかりました。さて,さらにご質問させて下さい。ここでいうせん断破壊は,圧縮応力下での塑性ひずみが生じる弾性挙動後あるいは最大応力時どちらで生じるのでしょうか。また,コンクリートはひずみ軟化を示す材料ですが,ひずみが軟化する領域でも常にせん断破壊を呈しているのでしょうか。

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 破壊条件とは材料が降伏し塑性変形を開始する条件という定義です。コンクリートの場合その開始を厳密に定義するのは困難ですが、“最大応力時”という概念ではなく、破壊条件を満たした応力状態で破壊するということであります。したがってコンクリートが壊れるメカニズムがせん断破壊と引張破壊であることに違いはありません。
 なお“コンクリートはひずみ軟化を示す材料ですが,ひずみが軟化する領域でも常にせん断破壊を呈しているのでしょうか”というご質問ですが、破壊がせん断破壊であることが、降伏後の応力とひずみの性状に影響を与えていると考えられます。
 ユーザ登録内容を失念したために、氏名が表示されていませんが、前回と今回の投稿者は元信州大学の長尚です。